一関・平泉

大船渡線と私 開業100周年プレ企画

 私は千厩町出身です。小・中・高の時、大船渡線に乗車したのは音楽発表会や海水浴に行くためで、数えるくらい。ただただ別世界の移動にワクワクしたものです。

 その後、保母と幼稚園教諭の資格が欲しくて短大へ。朝6時半の千厩発で2年間、汽車通学しました。

 2年生の冬休み。アルバイトを許してもらい東光デパートに。社会人の見習いは新鮮でした。そして迎えた12月31日、あのデパート火災が発生。お気に入りの新しいコートを着て出勤したので「ロッカーにあるー!!」。もちろん誰も私物は取りに行けず、消火の邪魔にならないように見守るだけでした。

 聞き取りなどいろいろあって、帰宅のOKが出たのは何時だったでしょう? コートもバッグも焼失したので、デパートのスモックのまま手ぶらでフルフルしながら乗った大船渡線。他の乗客からの視線が痛かった。花も恥じらう若干二十歳。とっても恥ずかしい50分乗車が今も忘れられません。

(一関市萩荘・阿部百合子さん)

momottoメモ

皆さまからお寄せいただき、これまでに掲載した「大船渡線と私」のエピソードを岩手日日ホームページで公開しています。 

企画/一関市観光協会、岩手日日新聞社

地域の記事をもっと読む

一関・平泉
2025年3月27日付
一関・平泉
2025年3月27日付
一関・平泉
2025年3月27日付
一関・平泉
2025年3月27日付