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焼損面積約1200ヘクタール 大船渡山林火災 平成以降で最大か

自衛隊機が上空から放水するなどして消火活動が続く大船渡市の山林火災=28日午後

 大船渡市赤崎町合足で2月26日に発生した山林火災は、28日も延焼が広がった。県によると、焼損面積は約1200ヘクタールに拡大。地元消防や自衛隊、緊急消防援助隊などによる懸命の消火活動がいまだ続いている。

 総務省消防庁によると、今回の焼損面積がこのまま確定した場合は、1992年に北海道釧路市で焼損した1030ヘクタールを上回り、国内では平成以降で最大の林野火災になるという。

 県の同日午後3時現在のまとめによると、三陸町綾里と赤崎町の1340世帯3306人に避難指示が出され、小学校や公民館など7カ所に設けられた避難所には852人が身を寄せている。

 ライフラインにも影響があり、約700軒で停電。断水も発生しているが、避難済みで給水は不要としている。

 公民館に避難した熊谷あけみさん(67)は「(自宅は)駄目だと思う。諦めている」と肩を落とした。「東日本大震災が落ち着いて、安心したところに火災が起きた。悔しいが、前を向いて進むしかない」と話した。

 母親と避難したという漁業関係者の男性(55)は「横にはなったが、寝られなかった」と疲れた表情を浮かべ、「自宅が心配なので、どこまで延焼しているかなど情報が知りたい」と訴えた。

 同日は午後3時までに自衛隊の大型ヘリ4機と防災ヘリ7機の計11機で上空から156回にわたり計52万2450リットルを散水。県から総務省消防庁への追加派遣の要請を通じて東京や埼玉、千葉、群馬も加わり12都県の緊急消防援助隊計1675人が対応に当たった。

 県は市からの要請を受け、県感染制御支援チーム(ICAT)として薬剤師1人と看護師4人を派遣したほか、釜石、陸前高田、遠野3市の協力を得て1、2の両日、避難所運営をサポートする職員延べ18人を派遣する予定。

 また、県教委は、被災して本検査を受けられない中学受験生について、11、12の両日に予定されている追検査の対象とするよう大船渡市と各県立学校に通知した。

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