花巻

「逃げるよ」記憶鮮明 花巻東2年 金野快投手(釜石出身) 甲子園のマウンドで恩返しを 東日本大震災きょう14年

悲願の日本一に闘志を燃やす花巻東の金野投手

 2011年3月11日の東日本大震災から14年。第97回選抜高校野球大会(18日開幕、兵庫県西宮市・甲子園球場)に出場する花巻東の金野快投手(2年)は、釜石市出身で発生当時は3歳の保育園児だった。自宅が津波に流される被害を経て野球と出合い、県内屈指の強豪で主戦を務める最速140キロ右腕に成長した。県内外で応援してくれる人たちに勝利を報告するため、野球ができる環境に感謝しながら大舞台のマウンドに立つ。

 幼くても、あの記憶は鮮明にある。「緊急地震速報の音を聞いたり、避難している人を見たり。今思い出せば、言葉が出ないくらいひどかった」。保育園で寝ていた時に激しい揺れが襲い、「逃げるよ」と呼び掛ける職員と共に高台へ避難。海沿いにあった自宅は津波に流された。

 復興に向かう沿岸部で暮らし、防災教育も印象に残る。「小学1年生の時は『忘れるな』という意味で、動画を見せられたり、避難訓練を多くやったり。『いつ起きてもおかしくないぞ』という災害への準備は身に付いた」と振り返る。

momottoメモ

未曾有の大震災から月日が流れ、沿岸部で野球を始めた少年は今、信頼できるチームメートと一緒に目標の日本一に闘志を燃やす。「甲子園に行くからには、家族や地域の方々。花巻市民、釜石市民にいい報告ができるような結果を残したい」。恩返しのピッチングが、もうすぐ始まる。

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