臨時緯度観測所本館 日本天文遺産に 科学史的価値評価 奥州・水沢
日本天文学会(井田茂会長)は17日付で、国立天文台水沢VLBI観測所が管理する奥州市水沢星ガ丘町の臨時緯度観測所本館(木村榮(ひさし)記念館)を、2024年度の第7回日本天文遺産に認定したと発表した。初代所長の木村榮博士(1870~1943年)の「Z項」発見の功績や天文学の発展に大きく貢献した建物で、天文学上の価値も高いと評価された。同VLBI観測所関連の認定は第3回(20年度)の「眼視天頂儀と関連建築物」に続き2件目。
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所長室には木村博士が愛用した椅子や机などの家具も保存、展示され、一般公開されている。同学会によると、当時の観測で使用された眼視天頂儀、浮遊天頂儀、大森式地震計、気圧計などは保存状態が良く、展示・公開することで天文学の普及に貢献していることを含め、歴史的価値の高い建物と評価した。
同学会は18年度に同遺産の認定制度を設け、歴史的に価値の高い、史跡・建造物や物品、文献などを23年度までに15件認定している。会員からの推薦を基に、選考委員会が候補を絞り、同学会代議員総会で決定。臨時緯度観測所本館が16件目となった。