大船渡線と私 開業100周年プレ企画
終戦直後、5年生だった私は父に連れられて大船渡線に乗りました。汽車に乗ることに胸がワクワクドキドキしました。車窓から初めて海を見た時、あまりの壮大さにビックリしました。今は交通が発達して、いつでも海を見られるようになったけれども、その頃、内陸の人にとって海はあこがれでした。
途中どの駅だか分からないけれど、降り立ったホームにひたひたと波が打ち寄せていました。まるで海の上にホームがあるかのようです。あの駅はどこだったのでしょうか? 今でもあの駅はあるのだろうか…。
90歳になった今でも、大船渡線と言うと遠い昔の子どもの頃の記憶のあの駅のホームが幻のように懐かしく、郷愁に駆られ、もう一度あのホームに降り立って海の景色を見たいのです。(一関市真柴)