奥州・金ケ崎

地域資料 次代へ継承 デジタル保存の先進例検証 下飯坂家文書公開記念シンポ【奥州】

「下飯坂家文書」の公開を記念して開かれたシンポジウム

 「下飯坂家文書」公開記念・産学官三者連携事業の成果と課題シンポジウム(奥州市教委など主催)は20日、同市水沢聖天の水沢地区センターで開かれた。産学官が連携して地域資料をデジタルアーカイブで保存公開する先進的な取り組みについて、各分野の専門家らを招いて成果と課題を検証した。

 市教委と国立歴史民俗博物館メタ資料学研究センター、合同会社AMANEの3者が、2020年に覚書を交わして取り組んでいる地域資料保存のための調査・研究のうち「下飯坂家文書」について、同博物館の総合資料学情報基盤システム「khirin(キリン)」で一部資料の公開を開始したのを記念して開いた。

 下飯坂家文書は衆院議員や水沢町長を務めた下飯坂権三郎(1852~1923年)に関係する文書で構成された資料群で、2021年に同市が遺族から寄贈を受けた。調査・研究により、地域の政治史に関する重要な資料が含まれていることが明らかになってきたが、保管されていた家屋の解体に伴って廃棄処分寸前だったという。

 総数は約4000点。斎藤實や佐藤昌蔵、原敬をはじめ県内各地の政治家との交流を示す書簡、地盤の旧胆沢・江刺・気仙郡の政治に関する資料、選挙に関する資料などが含まれた。

 同シンポジウムでは東北大大学院法学研究科の伏見岳人教授が「『下飯坂家文書』調査モデルの構築と課題」と題して事業報告したほか、各分野の専門家が事業への期待や課題を述べるなどした。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2025年5月6日付
奥州・金ケ崎
2025年5月6日付
奥州・金ケ崎
2025年5月6日付
奥州・金ケ崎
2025年5月6日付