一関・平泉

文化財修理 力添えを 中尊寺(平泉)来月までCF 県指定・本坊表門

解体修理が進む中尊寺の本坊表門。同寺は修理費用をクラウドファンディングで募っている

 平泉町平泉の中尊寺(奥山元照貫首)は、老朽化を受け解体修理を進めている県指定文化財の本坊表門の修理費用を、5月30日までクラウドファンディング(CF)で募っている。募集の過程で平泉や同寺の価値を発信し、同寺の伽藍(がらん)落慶900年となる2026年の完成を目指す。

 表門は約400年前、現在の一関市にあった一関藩主伊達宗勝の屋敷から移築されたと伝わる。木造で、高さ約6・3メートル、奥行き約2・5メートル、門口は約幅6メートル。本堂を拝観する多くの観光客を迎えてきた。

 08年の岩手・宮城内陸地震後は筋交いで耐震補強をしたが、11年の東日本大震災などにより、近年は柱の傾斜や構造全体のゆがみなどが悪化していた。

 観光客らの安全を考慮し、今年2月下旬に解体に着工。江戸時代の柱や扉、金具など現存の部材を可能な限り保つ方針で、26年5月の完工を目指している。

 CFは4月1日に開始し、初期の目標額は1500万円に設定。見込み費用約4100万円のうち、県の補助を除いた同寺の自己負担分約2000万円の一部に寄付を充てる。同寺によるCFは初めて。

 達成時のリターン(返礼品)付き寄付は1口5000円から。境内の木を使用したコースターや花を模して法要でまく散華、境内写真のポストカードなど、同寺ならではの内容を用意している。

 奥山貫首は「多くの方々に表門と平泉、中尊寺を広め、お力添えを頂きたい。900年の大きな節目に、表門の落慶もご覧いただきたい」としている。

 CFサイト「READYFOR」で募っている。返礼品なしの口座への直接募金も併せて募り、支援総額に反映する。

▲CFはこちら

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