イノシシ被害深刻化 中尊寺、毛越寺、観自在王院跡 世界遺産 損壊危惧 平泉 防護柵など対策急務
世界遺産「平泉の文化遺産」の構成資産となっている平泉町の中尊寺と毛越寺、観自在王院跡で、イノシシが地面を掘り起こす被害が相次いでいる。世界遺産の景観が損なわれるばかりでなく、地中の遺跡などが損壊する恐れもある。両寺と町は国など関係機関を交え、景観に配慮した防護柵の設置を検討するなど対策を急いでいる。
中尊寺の被害はここ数年で確認。文化財関連では、金色堂前の弁財天堂の池や大長寿院、白山神社、大池跡付近で地面を掘り起こされた。このうち弁財天堂の池は今年に入って護岸が崩されるなど深刻化している。
毛越寺では1月、常行堂や講堂跡、開山堂、弁天池の付近など、山林に近いエリアで発生。観自在王院跡でも複数の被害が確認された。近隣では近年、イノシシの目撃が相次いでいた。人的被害は確認されていない。
町は被害状況を確認し、文化庁などに報告。国と県の補助を受け、対策事業の枠組みを構築したい考えだ。いずれも年間を通じて国内外から多くの観光客が訪れることから、景観に配慮した意匠の防護柵設置を想定している。
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