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全域にクマ注意報 岩手県、対策呼び掛け

 県は19日までに、県全域を対象にツキノワグマの出没に関する注意報を発表した。クマの好物とされるブナの実が2024年度の調査で並作だったことから、25年度はクマ出没に注意する必要があり、県は山菜採りやレジャーなどで入山する機会が多くなる時期を前に「クマを寄せ付けない対策を積極的に行ってほしい」と呼び掛けている。

 県によると、クマによる人身被害は23年度が46件49人、24年度が10件10人となっており、死者も出ている。今年度は既に冬眠から目覚めたクマが餌を求めて人里に出没しており、市街地や小学校付近でも目撃されるなど、被害に遭う危険性が高まっている。

 被害を未然に防ぐための対策として県は、山林内(クマの生息域)では複数人で行動し、明け方、夕方の入山を避けることや、音の鳴る鈴やラジオなどを常に鳴らして存在を知らせること、食べ残しなど餌になる物を放置しないこと、クマのふんや足跡を見たら引き返すことなどを周知。

 人里では、電気柵を設置してクマを寄せ付けない対策を講じることや庭先果樹などの適期収穫、廃棄野菜や生ごみの適切管理を求める。

 注意報の発表に合わせ、県は同日から5月31日まで「春のクマ被害防止キャンペーン」を展開し、県政番組での注意喚起、SNSでの一斉配信、市町村広報や防災無線への掲載依頼などに取り組む。人身被害発生時には報道機関を通じた注意喚起なども行う。

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