AIで交通誘導 工事現場に本格導入 金ケ崎町内
建設会社タカヤ(本社盛岡市、細屋伸央代表取締役社長)は8日、金ケ崎町内の工事現場に、人工知能(AI)搭載カメラを活用した自動交通誘導システムを、県内で初めて本格導入した。業界にとっては課題となっている深刻な人手不足の解消や現場の安全性向上など、ドライバーにとっては片側交互通行の待ち時間短縮などに効果があるといい、次世代の交通誘導技術の一つとして期待される。
現場は金ケ崎町西根地内の県道前沢北上線。県南広域振興局の発注による工事として、黒沢川に架かる川目橋の橋梁(きょうりょう)補強補修を行っている。同システム導入を推進している警備会社M・K・G(本社盛岡市、田畑克也代表取締役)が、花巻市で3月に行った実証実験を踏まえ、タカヤに協力した。
片側交互通行となっている現場のうち、橋の両端と中間の計3カ所にAI搭載カメラを設置。交通誘導員に代わって通行車両を検知し、取得した交通・渋滞情報を解析して、適切なタイミングで発光ダイオード(LED)表示板の映像を切り替える。
同表示板の大きさは縦約1・5メートル、横約1メートル。橋の両端に設置され、「対向車ありトマレ」「進んでください」などの文字や交通誘導員の映像で、車両を誘導している。
導入によって通常3~5人必要な交通誘導員を1、2人に減らせるほか、旗を持って路上に立つといった安全上のリスクも減らすことができるという。
タカヤ環境建設事業部の千葉雅司課長は「AIが学習を重ねることで待ち時間も短縮化される。表示板を見逃し、誤って侵入する車両もあるため、交通誘導員の配置は欠かせず、無人化はできない。慣れないだろうが案内板に従って安全に通行してもらいたい」と話した。現場では同システムを6月20日まで24時間稼働させる予定となっている。