県内外

「いつか岩手舞台に」 花巻出身・阿部暁子さん 知事表敬、本屋大賞報告

2025年本屋大賞受賞報告で達増知事(左)を訪ねた阿部さん

 2025年本屋大賞を受賞した花巻市出身で県内在住の作家阿部暁子さんは9日、県庁に達増拓也知事を訪問した。阿部さんは「身に余ることで最初はあまり実感がなかったが、身近な人だけでなく県内各地の人たちが祝福してくださり、今少しずつ実感と喜びをかみしめている」と語り、出版関係者や県民らの支えに深く感謝。「もうちょっと腕のいい書き手になったら、いつか岩手を舞台に(小説を)書いてみたい」と意欲も語った。

 大賞受賞作の「カフネ」(講談社)は、最愛の弟を亡くした法務局勤務の女性が、弟の元恋人に会い、彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うようになる物語。2人は食べることを通じ、互いを理解していく。

 阿部さんは講談社文芸第二出版部の河北壮平部長、川原桜さんと共に県庁を訪れ、受賞報告のほか、受賞作の内容について達増知事と懇談した。

 阿部さんは「私一人の力ではなく、作品を一緒に作り上げてくださった出版社や作品を広めてくださった皆さん、私が暮らしている岩手の皆さんの支えがあってのことだ」と述べた。

 達増知事は「本県出身者では初めての受賞とのことで大変喜ばしく、県民も喜んでいる。全国の本屋さんが支持し、本を愛し、そして売っている人たちに選ばれたのは非常にすごいこと」と祝福した上で「社会政策的にためになる本であり、多くの人に読んでほしい。岩手の出版業が盛り上がり、阿部さんがさらに活躍することを期待している」と語った。

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