山肌駆ける白ギツネ 一関・厳美
9日の県南地方は高気圧に覆われて晴れ、最高気温は花巻23・3度、江刺22・7度、北上22・4度、一関22・0度(いずれも盛岡地方気象台調べ)まで上がった。中世そのままの農村景観を現在に伝える骨寺村荘園遺跡がある一関市厳美町の本寺地区では、栗駒山(1626メートル)の雪解けが進んだことで、山頂付近に「本寺ギツネ」と呼ばれる雪形をくっきりと望むことができた。
例年5月上旬になると、残雪が山頂を頭部に南を向く白いキツネの形に見えることから、同地区では昔から田植えの準備を始める目安としている。
小区画水田が複雑に連なる同遺跡内の圃場(ほじょう)では、耕運機による田起こしや水を引いた代かき作業が盛んに行われており、間もなく山肌を駆けるキツネの下で田植えが始まる。
栗駒山の8合目(1126メートル)に位置する須川高原温泉は10日に日帰り入浴客を受け入れて今季の営業がスタート。18日には夏山シーズン開幕を告げる山開きが行われる。