つなぐ輪禍撲滅の願い 風化防止へ教訓胸に刻む 北上 飯豊バス事故70年で慰霊祭
北上市飯豊地内で小学生を含む12人が死亡するバス事故発生から70年が経過したことを受け、北上市交通安全対策協議会(会長・八重樫浩文市長)は13日、現場付近で慰霊祭を営んだ。出席した当事者や遺族、交通安全関係者らは「黄色い羽根運動」のきっかけとなった大惨事を教訓に、改めて交通事故の撲滅を願った。
事故は1955年5月14日午後7時30分ごろに発生。修学旅行から帰る途中だった花巻市石鳥谷町内の小学生とその保護者らが乗る旧花巻電鉄のバスが、国道4号の飯豊橋で運転を誤り、欄干を破って約10メートル下の川に転落。死者12人と重軽傷者30人を出す大惨事となった。この事故を教訓に県交通安全協会は交通安全の象徴として黄色い羽根の配布活動を始め、運動の輪が全国に広がった。
慰霊祭は事故現場付近の花北モータースクールに献花台を設けて営まれ、北上地方交通安全協会や市交通指導隊、北上署などから関係者約90人が出席。事故の当事者や遺族らが慰霊碑や献花台に花束をささげた。
式辞の中で八重樫市長は「地元の努力で事故死者数はピークの昭和45年時から約6分の1に減少した。交通事故による悲惨な思いをする方をなくすため、黄色い羽根発祥の地からもう一度交通安全の機運を高め、交通事故死者数ゼロを目指すことを誓う」と語った。
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