北上・西和賀

品種改良 歩みに光 生誕90年「小麦農林10号」 農業科学博物館企画展【北上】

「緑の革命」の原動力となった「小麦農林10号」の開発経緯をはじめ、本県の作物品種改良の足跡が紹介されている企画展

 北上市飯豊の県立農業ふれあい公園・農業科学博物館は、「小麦農林10号生誕90年」をテーマにした企画展を同館で開催している。本県で誕生したコムギ品種「小麦農林10号」の後継品種が世界の食料危機を救った「緑の革命」に貢献した経緯や、当時の貴重な研究資料などが展示されており、本県の作物品種改良の歩みに光を当てている。6月1日まで。

▲現在も県農業研究センターで栽培が続けられている「小麦農林10号」

 「緑の革命」は、高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の大量増産を達成した1960年代ごろの農業革命。このきっかけとなった「農林10号」が、本県で誕生してから90年を迎えるのを記念して企画した。

 「農林10号」は、35(昭和10)年に県立農事試験場(盛岡市、現在の県農業研究センター)で生まれた背丈の低い品種。農林省派遣の地方農林技師だった稲塚権次郎さんと、県農林技手の浅沼清太郎さんによって育成された。国内ではあまり広まらなかったが、第2次世界大戦後の46年に米国へ渡り交配親として利用された。

momottoメモ

企画展では、当時の貴重な研究資料や半わい性を活用した本県の作物品種改良の現状などが、パネルや実物、書籍などを通じて紹介されている。

開館時間は午前9時~午後4時30分(入館は同4時)。期間中の休館日は月、火曜日。

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