クマ捕獲至らず 住民に注意喚起 北上・和賀
4日に北上市和賀町山口地内の住宅内で、81歳の女性がクマに襲われ死亡する被害が発生したことを受け、市と北上署では、5日朝から周辺でパトロールを展開した。周辺にわなを2カ所設置したものの、同日午後6時現在で捕獲には至っておらず、住民らに引き続き注意喚起している。
女性は住宅の居間で血だらけになって倒れており、4日朝に訪れた家族が発見した。遺体に付けられた爪痕や室内に残っていた足跡などから、玄関から侵入したクマに襲われたとみられている。
同署によると、同日午後6時ごろには、署員が女性宅付近に向かう成獣のクマを発見。体長は約1・5メートルで、住宅北側の窓を引っかくような動きをしたほか、周囲を徘徊(はいかい)して1時間後に南西方向へと移動していったという。5日午前8時10分ごろには、女性宅から東南約500メートル付近でもクマが目撃されている。
山口地内では1カ月ほど前からクマの出没が相次いでおり、市では今月4日に危機対策本部を設置。同日に和賀、岩崎両地区交流センターと和賀町総合福祉センターに自主避難所を開設し、住民2人が避難した。
市と同署は、山口地内でパトカーや広報車でのパトロールを継続する考えで、住民に不要不急の外出を控えるほか、窓や扉の施錠を徹底するよう呼び掛ける。