一関・平泉

舟上で朗々 祝いの謡 一関・猊鼻渓名勝100周年

猊鼻渓名勝指定100周年を記念し、関係者約40人が参加して行われた舟上謡

 一関市東山町の猊鼻(げいび)渓で7日、名勝指定100周年記念「猊鼻渓舟上謡」が行われた。地元の謡曲団体が100周年を祝うため2023年から継続してきた催し。集大成となる今年は平泉町や東山町内の団体が幽玄の渓谷に朗々と節目の謡を響かせ、猊鼻渓を生み育てた先人への感謝と観光振興の願いを込めた。

 関係者約40人が2そうをつないだ舟に乗り込み、謡曲講師を務めるいわて東山歴史文化振興会の佐藤育郎会長が猊鼻渓開発の祖・佐藤猊巌、げいび追分創始者の鈴木朗月ら猊鼻渓を築いた先人に感謝して口上を述べた。同市東山町の四海波きんぴか会の鈴木邦夫代表は「100周年の記念事業として格式高い晴れ舞台。今後も何度来ても猊鼻渓は良い所と言われるよう祈念したい」とあいさつした。

 係留した舟上で平泉町の平泉喜桜会と中尊寺薪能の会の5人が「秀衡」を上演。きんぴか会の会員は答礼で「四海波」を演じ、渓谷に厳かな声が響き渡った。

 喜桜会の鈴木四郎会長は「100周年に向けた皆さんの思いに応えようと謡わせていただいた。今後も平泉と東山の交流を長く続けていきたい」と話した。げいび観光センターの菅原喜哉代表取締役社長は「猊鼻渓は国の宝である前に地域の宝。先人に感謝し、今後の100年も地域と一緒に築いていきたい」と語った。

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