一関・平泉

「とても大切な路線」 乗車体験、歴史へ思い 柚月裕子さん(釜石出身、小説家) 大船渡線100周年【一関】

大船渡線の魅力などを語った柚月さん

 JR大船渡線開業100周年を記念した、釜石市出身の小説家柚月裕子さんの講演会は26日、一関市大手町の一関文化センターで開かれた。乗車体験から同線の魅力を語ったほか、幅広い話題で来場者を楽しませた。

 ほぼ満員の約440人が来場。柚月さんと、KADOKAWA編集者の山田剛史さんとのトークセッション方式で行った。

 柚月さんは一関入りに際し、気仙沼―一ノ関間を乗車。「初めて乗ったが、とてもすてきな景観。高い所からきれいな川が見下ろせて、車窓のすぐ横の緑がきれい。沿線で手入れされている庭を見ると、どういう方が暮らしているか想像がかき立てられる」と率直に語った。

 さらに「(同線が)100年続いてきた理由が分かった。100年前、人が歩くのが困難な場所にトンネルを通したのはすごいこと。今はいろいろな形で運べるようになったが、列車はモノだけでなく人の喜怒哀楽、悲喜こもごもを乗せて走っていると東日本大震災後、感じるようになった」と強調。「100年の間に、どれだけの人の気持ちを乗せて往来したかを思うと、胸が詰まる。ゆったり景色を見ながらいろいろ想像し、またわが身に引き戻すことができるとても大切な路線」と語った。

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