奔走!リクエスト取材班

リサイクルの過程を知りたい

各地区にあるごみ集積所。ルール通りに出しているか、各自が今一度振り返ってみる必要がありそうだ

 「資源ごみはどのようにリサイクルされているのでしょうか?」こんな声が届いた。生活する上で必ず出る毎日のごみ。できるだけごみを減らしたいとは思うが、分別がおっくうに思う時もある。資源ごみの“行く末”をこの目で確かめようと取材を始めた。

▲資源ごみの中間処理を行う一関清掃センターリサイクルプラザ

 まずは、一関市狐禅寺の一関清掃センターを訪ねた。同センターでは一般廃棄物の焼却施設にリサイクルプラザが併設されており、資源ごみのリサイクル作業に当たっている。同プラザには一関市(旧東磐井郡を除く)と平泉町の各家庭から、ガラス瓶、缶、ペットボトル、プラスチック製包装容器、紙類の5種類がリサイクル可能な資源ごみとして持ち込まれる。

 搬入されたごみは、異物などが取り除かれた後、種類別にリサイクル加工業者へ「出荷」されるというのが大まかな流れだ。出荷までの準備には人手がかかる。例えばガラス瓶の場合は、瓶色によって最終的な処理の仕方が異なる。色別の仕分けは手作業だが、瓶の中にタバコの吸い殻や電池などが混入されていることもあるという。もちろん瓶はきちんとすすいでから出さなければいけない事になっているため、完全に「ルール違反」だ。また家庭で使用された注射針が入っていたこともあり、同センターでは「作業員の安全性にも関わるため瓶の中には何も入れずに出してほしい」と呼び掛ける。

▲瓶の中に電池やタバコの吸い殻を入れるのはNG
▲手前はペットボトル、奥は廃プラスチックのライン。最終段階では手作業で異物を取り除く
▲搬出しやすいよう圧縮されたペットボトル

 同センターの場合、日本容器包装リサイクル協会と資源ごみであるガラス瓶、ペットボトル、プラスチック製容器包装の再商品化の業務実施契約を締結しており、量がまとまり次第搬送される。今回さらにガラス瓶とペットボトルの再生処理業者を取材させてもらった。

▲ダイワテクノ工業エコセンター(宮城県栗原市若柳)

 契約先の業者は一定期間ごとの入札で決まる。ペットボトルは現在、宮城県栗原市に本社を置くダイワテクノ工業が受け入れ先になっており、同市若柳の同社エコセンターに足を運んだ。

▲倉庫にうず高く積み上げられたペットボトル

 同社は2000年に廃ペットボトルのリサイクル事業をスタートさせ、現在は岩手、宮城の両県から買い入れている。大きな倉庫には圧縮されたペットボトルが所狭しと山積みにされている。作業としては、ペットボトルをホッパーに投入し、機械でラベルを剥がした後に粉砕する。

▲細かくなったペットボトルは数段階の自動洗浄を経て、経の大きさごとに仕分けられる
▲汚れも無く次の加工をしやすいような大きさになったペットボトル

 次に重要なのは洗浄。同社では数段階に分けて徹底的に洗浄し不純物を取り除く。こうして細かくなったペットボトルは「フレーク」と呼ばれ、再利用事業者に売り渡され新たな製品に加工される。

▲一度役目を終えたペットボトルだが、再利用することで新たな役割が与えられる

 次に向かった先は、ガラス瓶のリサイクルを手掛ける奥州市水沢の環境保全サービスだ。同社はビール瓶などそのままの形でリサイクルされるもの以外、例えばワイン瓶やウイスキーボトルなどを受け入れている。

▲環境保全サービス(奥州市水沢)
▲搬入されガラス瓶にはラベルが付いたまま

 瓶はラベルが付いた状態でコンベヤーで運ばれ、段階的に粉砕されていく。

▲高性能な粉砕機で粉々になったガラス瓶

 さらに風力によってラベルを剥がした後、大きさごとに分別して2次利用業者に販売する。同社のリサイクルガラス材製品の主な物としては下水管を埋める工事の際、地中埋設する管周りの保護材がある。ガラスは水分を吸収しないことから管周りが固着せず、地震時においてもガラス材がクッションの役割を果たし管の破損の危険性が低下するという。身近な所にガラス瓶のリサイクル材が使用されている。

▲粒度は様々に設定できるという

▲用途に合わせ様々な粒度で販売している

 プラスチック容器やガラス瓶の再利用を促進する「容器包装リサイクル法」が施行された1997年から20年あまりが経過した。施行当時、一般廃棄物の最終処分場の残余は逼迫(ひっぱく)した状況であったが、現在は緩やかながら残余年数が伸びているという。しかし、限りある国土の中で埋め立て処分し続けるにはどこかに限度がある。環境問題が改めて大きく取り沙汰される今、一人ひとりが資源ごみをきちんと分別して出すことはもちろんのこと、容器の中に異物を入れないなどルールを守ることが求められている。

momottoメモ

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