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家のバリアフリー化 補助や融資の現状は?

 「家をバリアフリーに改装したいが、補助金や融資などの制度について調べてほしい」という依頼が寄せられた。そこで思い出したのは記者の実家だ。実家では父母とともに90歳を超える祖母が暮らしており、その祖母の足腰が弱ったことから近年バリアフリーのリフォームを施した。といっても廊下に手すりを付けるなどの小規模なものだ。リフォームにはとかくお金が掛かるイメージがあるが、補助金や融資の内容はどのようなものか調べてみた。

自立した生活のための「バリアフリー化」 手すりの設置や段差の解消で
▲手すりの設置で転倒の危険性も低くなる

 そもそも「バリアフリー」とは何か。2006(平成18)年に施行された「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」では公共施設でのバリアフリー化をうたい、条文には「高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保すること」の一文がある。つまり、歩くのに難のある人でも一人でスムーズに移動できるようにバリア(障壁)を取り除くことが「バリアフリー化」であり、高齢化社会の中にあって重要性は高まる一方だ。

 リフォーム業を展開する一関市のアズマ住設によると、一般家屋におけるバリアフリーリフォームの受注内容としては、「屋内外での手すりの設置」と「床の段差解消」が多いという。家の中のちょっとした段差でも、つまずいて転倒してしまい骨折などといった大けがにつながることがある。同社の場合、バリアフリーを目的としたリフォーム工事費は20~100万円ほど。

介護保険と自治体による二つの補助金

 肝心の補助金や融資については、国土交通省がホームページで公開している「マンガでわかる住宅リフォームガイドブック」が詳しい。

▲国交省が作製した「マンガでわかる住宅リフォームガイドブック」(平成30年版)。同省HPでダウンロードできるほか、冊子の取り寄せもできる

 まずは補助制度の内容だが、同ブックによると「介護保険法にもとづく住宅改修費の支給」がある。これは、要支援または要介護の認定を受けた人の住宅をバリアフリー改修する場合、対象となる工事(手すりの設置、床の段差解消など)に対して、介護保険から最大で18万円が支給されるというもの。支援・介護の認定を受けている人はぜひとも押さえておきたい。

 これとは別に、自治体独自の補助制度もある。例えば花巻市には、「高齢者等住宅改造事業費補助金制度」があり、対象工事費から前述の介護保険により支給される補助金を控除した額の2/3(最大30万円)が補助される。ただし、すべての自治体で制度が用意されているわけではなく、予算にも限りがあることと、着工前に申請が必要だということに注意したい。同市長寿福祉課によると、予算が無くなると次の予算が付くまで着工を待つ人もいるという。自治体による補助制度の有無は「一般社団法人住宅リフォーム推進協議会」のホームページで検索が可能で、詳しくは各窓口での確認が必要だ。

 融資については、各金融機関がリフォームローンをそろえている。また、「フラット35」などを提供する住宅金融支援機構は、高齢者限定の特例措置を設けた融資制度を用意している。この制度は満60歳以上の人がバリアフリー改修を行う際に融資を受けられ、毎月の支払いは利息分のみ。その代わり住宅や土地などを担保とし、施工主と連帯債務者全員が死亡した際に担保資産を売却するなどして元金を一括返済するという仕組みで「リバースモーゲージローン」とも呼ばれる。いずれにしても借り入れる際は、十分な吟味をし自分に合った返済計画を立てることが重要だ。

所得税、固定資産税の減税申請もお忘れなく

 補助と融資の他に税金の優遇措置も見逃せない。バリアフリーのリフォームを施工した際に一定の要件を満たせば、所得税や固定資産税などの減額を受けることができる。

 補助、融資、減税とお金にまつわる仕組みは多岐にわたる。担当のケアマネジャーや信頼の置ける業者に相談するのはもちろんのこと、補助や税制優遇を最大限に生かすためには、ホームページを見たり資料を取り寄せたりして自ら情報収集に当たることも欠かせない。


〈まとめ〉
・介護、支援認定を受けていれば介護保険の補助金がある
・自治体が用意する補助制度があるが、予算に限りがあることに注意
・所得税や固定資産税などの税制優遇措置あり

※文中における補助額などの数字は2019年5月31日時点のものです。

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