2025年11月19日
紅葉を楽しもうと近場の社寺を巡った時のこと。晴れ着に身を包んだ七五三参りの家族連れに出会った。ほほえましい光景に気持ちがほっこりした
▼記念に写真撮影する家庭が多いが、撮る側を一番困らせるのは子どもの機嫌。慣れない衣装にポーズを何度も求められ、長時間じっとさせられるのだから嫌がるのも無理はない。一方、思い出に笑顔を収めたいと思う親心もよく分かる
▼それと関係があるのか、写真館でかしこまるのではなく、カメラマンが同行し屋外で自然な表情やシーンを写す出張撮影を見掛ける機会が増えた。遭遇した一家にも、同行したプロのカメラマンが話し掛け続けるなど子どもに終始気を配り、シャッターを押しているのが印象的だった
▼デジタル関連の事業を手掛けるピクサスによると、出張サービスの依頼は開始した約10年前から右肩上がりで、コロナ禍には感染リスクを回避したい心理からか、自宅や屋外で撮影を希望する人が急激に増え、需要が拡大したという
▼SNSで見栄えのする写真を家族や友人と共有したいという声だけでなく、販売商品を売り込むビジュアル戦略としてビジネス分野でも申し込みがあるらしい。記念写真にも、美しく目立つようにする「映え」を意識する時代になってきた。

