日日草

2025年12月3日

 今年も年末ジャンボ宝くじが発売され、まちの売り場で高額当せんを夢見て買い求める人たちをよく見掛ける。今まで何度か購入したことはあるが、当てたのは3000円が数回のみ。われながらくじ運のなさに寂しい気持ちになる

▼年の瀬が近づき、わが家の菩提寺から毎年届く1冊の宝暦。目を通すと、その日の吉凶を表す六曜や干支(えと)、二十四節気など、情報量の多さに驚かされる。70代後半の両親に聞けば、昔から冠婚葬祭を行うタイミングのほか、農事暦としても役立ててきたという

▼暦は6世紀ごろに中国から日本に伝わったとされる。当時は月の満ち欠けと太陽の動きを組み合わせた太陰太陽暦。江戸時代の改暦などを経て1872(明治5)年に欧米との統一を図ろうと、新政府が現在の太陽暦を採用した

▼時代は令和になったが、大安は一日を通して運気が安定し、仏滅は縁起が良くないなど、旧暦の暦注で代表的な六曜は健在だ。結婚式や葬儀に限らず、日常的な決断や行事を計画する時に気にする人は少なくないだろう

▼きょうは新暦が始まった日に由来するカレンダーの日。最近は六曜などを意識しない世代が増えているとも言われるが、一方で何かにすがりたくなるのも人の常。今年こそは大安の日に宝くじを買ってみようか。