日日草

2025年11月14日

 「一気に寒くなりましたね」。散歩でよく顔を合わせる近所の女性に声を掛けられた。1カ月ほど前までは県内でもまだ夏日がちらほらあっただけに、あまりに早い季節の移り変わりに誰もが戸惑いを感じているのでは

▼ここ数年、夏は猛暑続き。期間も長く、その分秋が短くなっており、四季でなく「二季」と表現する気象予報士さえいる。そんな中で迎えた今冬は一体どうなるのか。期間は、気温は、雪は。心配は増すばかり

▼日本気象協会の見通しでは、特に来月は気温が平年より低く、全国的に冷え込みが厳しくなるという。赤道付近から南米沿岸の海域で海面水温が平年を下回る状態が続き、寒気が流れ込みやすくなるのだそう。長くは続かないとの見立てだが、寒さに慣れ始める前の身にはこたえる

▼昨冬の県南部は暖冬の影響か、比較的穏やかな日が多く雪も少なめ。新春恒例の平泉町・毛越寺の常行堂二十日夜祭は最も寒さが厳しくなる時期とされる大寒ながら雪がない中で進行。流れ落ちる沢水が凍る花巻市のたろし滝は氷柱ができず、2年連続の計測不能

▼県内の山々は徐々に雪化粧を厚くし、平地でも初雪が観測された。冬本番はすぐそこ。冬用タイヤや雪かき用スコップ、凍結防止対策など迎える準備は急いだ方が良さそうだ。