炉端語り 衣川の方言から

【祖父】アキ、米っつ漢字書げっかや。米ナ、こ(このように)八十八ど書げんだど。

【アキ】書けるよ、ホラ。あ、ホント、八十八なんだ。何で八十八かなー。

【祖父】米ナ、むがすから88種類の手間暇かげでつぐる(耕作する)がらだってなんだ。

【父】その頃ァえま(今)のよに機械化されでねぇがったべがら、じぇんぶ(全て)手でだげでだったべお。うざね(苦労)だったべ。一っつでも欠げがされねぇがったべすさ。

【祖母】そなのス、その汗どうざねのおかげさまでナ、主食どすてこーすて食えでこれぇすただ。

【母】ばーちゃんは落づでる米粒を見つけっと拾っておぐんだっけ。米粒一つでも八十八のおらだの苦労かがってっからって。

【祖母】だりゃナ、米の大事さありがださがわがっからさ。拾わねぇでっと罰があだんだもや。ご飯粒一つでも粗末にすっと、まなぐめねぇぐなるってえはれでっす、ナ。

【父】国民の命を守るため、うんめぇ米に改良すてけだり、おらだもハ米作りさ精を出すてかしぇんでんだもさ(働いているのさ)。天気に左右されされ、うざねひゃでな。

【母】そなので、時々、ほが(よそ)で食べ残すどが粗末にすてんのを見っと、おらだの苦労や使命感づの投げられでるよで、とってもぎゃねぇのっしょ。給食ではど?

【ヨシ】先生ね、農家の人たちや料理する人たちが、皆さんが元気に育ってくれるようにと心を込めて作ってくれているのだから、感謝して食べるのって。みんな完食だよ。

【父】んだらハえす(よいし)。

構成・小野寺精一(奥州市)