里山スケッチ

水の中、光を待ち望む

ミズオオバコ。水面に花弁が反射、水中に茎が伸びる

 県南地域の雑木林では、小鳥の群れが行ったり来たり。冬に備え、餌となる虫や木の実を探すことに一生懸命だ。一方、夏の長雨のために羽化できなかったチョウやトンボが秋晴れに救われ、ようやく姿を現した。

 久保川流域のため池では、水面上にヒツジグサやミズオオバコが見事に開花。薄桃色の清楚(せいそ)な花を咲かせるミズオオバコは、国の絶滅危惧種。湖沼や水田に自生するが、生息地の開発、コイやアメリカザリガニなどの外来種の侵入、水質悪化が原因で全国的に激減している。水中をのぞくと、がく片から水底へ茎が続く。根元には路上に生えるオオバコ(ギャロッパ)に似た葉が茂り、これが種名の由来となっている。水が澄んでいなければ、太陽光が葉まで届かず光合成ができない。もっと太陽が欲しいと切望するように、花が青空を見上げていた。

 いくつもの季節、生き物が混ざり合って里山の色彩はより鮮やかに。黄金色の稲穂を収穫し、紅葉をめでる日も近い。

(写真・文、久保川イーハトーブ自然再生研究所常勤研究員・佐藤良平)