里山スケッチ

ずんぐり、シメの日常

シメの雄。冬季はシベリア方面からも日本へ渡る

 黒い縁取りの瞳と太いくちばしのせいか、表情はこわもて。実は、繊細で、用心深い性格の持ち主。それが、愛しき冬の渡り鳥、シメの特徴だ。

 一晩で積もった雪を、たちどころに解かす暖かさは相変わらず。気候変動は、野鳥の渡りに影響を与える。特に今冬は、近年まれに見ぬシメの多さで、一関市内の釣山公園では、数十羽の大群に出合えた。本種の体長は、約18センチ。国内では、主に北海道で繁殖し、冬に本州へ渡る。木の頂から辺りを警戒し、「ピチッ」「シッ」などと鳴き、安心すると樹上や地表で植物の種子をついばむ。危険を察知すると一瞬にしてきびすを返し、逃げ去る。つがいの仲はむつまじく、他の小鳥に対する強気な態度は、どこか憎めない。

 落ち葉を得意げにひっくり返すシメ。これは、雪が少なく、落ち葉が露出する場合ならではの餌探し。雪の少ない県南地域は、シメにとって餌を探しやすく、居心地が良い様子。一方で、季節感のはっきりした冬景色を、恋しく思う人の声も聞こえる。

(写真・文、久保川イーハトーブ自然再生研究所主任研究員・佐藤良平)