里山スケッチ

冬枯れに青葉の光

アオバトの若雄。成熟すると翼が赤紫色に染まる。体長は約33センチ

 その姿は、「緑のハト」と一言で語るには、あまりに美しくきらびやかだった。日暮れの里山。薄闇の中で、ほんのりとともる光のようなアオバトに出会ったのだ。それから1週間近く、晴れの日も雪の日も、アオバトは同じガマズミの木に飛来。くちばしを赤く染めながら、熟した果実をついばんでいた。

 岩手では、「アオー鳥」、「マオー鳥」と呼ばれていたアオバト。その方言は、「ポアオー、アオアーオ…」という尺八に似た奇妙な鳴き声に由来すると思われる。一年中を国内で過ごし、夏に繁殖。深いブナ林を生息地として好む。ミネラルを補うため、海水を飲むことが知られている。

 今季は暖冬の影響か、雪の少ない地域で越冬する野鳥が県南で多く見られた。希少な昆虫類では、温暖化が原因で繁殖がうまく行えず、激減が加速した例もある。生き物たちの異変に気付き、それを次世代へ伝え、育て、共にさまざまな環境問題に取り組むことを目指したい。

(写真・文、久保川イーハトーブ自然再生研究所主任研究員・佐藤良平)

momottoメモ

 木の枝に止まり柿の実をついばむ冬鳥、威嚇するかのようにはさみを広げるアメリカザリガニ、いつでも見られるはずなのに新鮮さを覚える田んぼの風景―。岩手日日で好評連載中の「里山スケッチ」ではこうした「一瞬のきらめき」を捉えた写真と文を交え、岩手県南を中心とした「田舎の自然」を紹介している。

 執筆、撮影しているのは東京都出身の佐藤良平さん。東京農大を卒業後、会社勤務を経て2011年4月に一関市へ移住した。普段は久保川イーハトーブ自然再生研究所(同市)の主任研究員として、同市萩荘地域の自然保護や調査などに取り組んでいる。15年5月の連載開始から3年半が経った今、佐藤さんに「里山」への思いを聞いた。【続きを読む】