里山スケッチ

鮮やかな冬

日没後の栗駒山と街明かり

 根雪になると思われた白銀の景色は、季節外れの暖かさによって、たちまち解けていった。行く年来る年を暖冬で迎えた県南地域。厳冬期は雪に閉ざされるはずの大地があらわになり、早春と似た湿り気を帯びていた。

 枝に連なる雪解けの滴と、辛うじてしがみつくモミジの葉。太陽は薄雲の中。優しい光と淡い輝きが秋の記憶を呼び起こし、水面は揺れる。オオヤマザクラは、苔(こけ)類や地衣類を幹に宿して着飾っている。渡り鳥と冠雪の栗駒山が冬らしさをうたう。昼を過ぎると刻々と日は落ちて、峰も夕焼けにうっすら染まる。一番星に先駆けて瞬くのは街明かり。自然の魅せる色彩が一つとして同じものがないように、家にともる明かりもそれぞれか。

 暖冬などの異常気象が生態系や生物多様性、人の暮らしに与える影響は計り知れない。一人でできる対策は限られるが、同志が集い協力すれば、守れるものがあるはずだ。東北の地で生きることを誇りに、四季の歩みへ心を配りたい。

(写真・文、久保川イーハトーブ自然再生研究所主任研究員・佐藤良平)