花巻

400年 華やぐ宿場町 大迫あんどんまつり開幕【花巻】

大迫あんどんまつりが開幕。地域住民らが手作りの山車を引き、訪れた人を楽しませた
宿場町おおはさま400年記念事業として出演した弘前ねぷた卍會

 花巻市無形民俗文化財に指定される伝統行事「大迫あんどんまつり」(大迫あんどん山車保存会主催)は14日、同市大迫町内で開幕した。地域住民手作りのあんどん山車や弘前ねぷたが中心街を練り歩き、“宿場町400年”を迎えた盆の夜を華やかに彩った。

 山車は高さ5メートルを超える立体的な仕上がり。上若、下若、川若、若衆の各組がそれぞれ「天狗」「飯縄権現」「大相撲」「葛城山」などを題材に制作し、夕方から町内を運行した。

 日が落ちると巨大絵が闇に浮かび上がり、より鮮やかに。各組とも笛や太鼓の音色と掛け声を響かせ、沿道を埋めた家族連れや観光客を魅了した。

 豊沢大念仏剣舞(花巻市)の上演やあんどん御輿(みこし)の運行も行われたほか、大迫交流活性化センター駐車場には子供たちによる「ミニ角あんどん」を展示した。

 実家が大迫町という瀬川一孝さん(37)=紫波町=は「かつてないほどにぎわっていてすごい。毎年絵が変わるのが楽しみ。太鼓の音も魅力」と語り、娘の柊日さん(7)は「山車は作るのが大変そうだけど、きれいにできている」と喜んでいた。

 約200年の歴史を誇る同まつりは、江戸時代の大飢饉(ききん)で餓死した人々を供養するために始まったと伝えられ、明治時代から現在の形になったという。

 15日は中休みで、最終日の16日は絵柄を一新した山車が午後4~10時に運行される。

弘前ねぷた 花添え共演

 今年のあんどんまつりは、宿場町おおはさま400年記念事業として国指定重要無形民俗文化財の弘前ねぷた(青森県)があんどん山車と共演し、節目に花を添えた。

 出演したのは「弘前ねぷた卍會」の約30人。13人でかつぐ「扇ねぷた」などが見物客を引き連れて町内を巡った。

 午後8時すぎに仲町交差点で行われた集合イベントでは、弘前ねぷた卍會を大迫の4組のあんどん山車が囲み、音頭上げや祭り囃子(ばやし)で盛り上げた。

 古澤勇治会長は「お客さんとの距離が近くて熱気を感じる。自分たちも楽しんでいる」と笑顔を見せ、宿場町おおはさま400年記念事業実行委員会の山影義一委員長は「節目を飾っていただきありがたい。他にも協力してもらった人たちに感謝する」と話していた。

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