花巻

神楽の躍動感表現 大迫図書館 八重樫さんギャラリー展【花巻】

大迫図書館でギャラリー展を開催している八重樫さん

 早池峰神楽に魅せられて花巻市大迫町に移住した画家八重樫理彦さん(44)のギャラリー展は、同町大迫の大迫図書館で開かれている。早池峰山で見られる蛇紋岩を題材にした油彩画、神楽の動きを追ったドローイングなど「早池峰の郷」を表現した力作15点が並んでいる。

 八重樫さんは東京都出身で、国際基督教大教養学部と武蔵野美大造形学部を卒業。2004年に大迫に移り住んで以来、早池峰の自然や文化をテーマに創作活動に取り組んでおり、09年度の県美術選奨を受賞している。

 神楽は「野性的なエネルギーを感じる」のが魅力といい、岳神楽や大償神楽の舞手の動きを和紙に墨で表現した作品などを展示。大償神楽の「鳥舞」は色鉛筆で描いたドローイングを拡大した作品で、鮮やかな色使いと躍動感が目を引く。

 一方、蛇紋岩の表面を拡大した油彩画は、含まれる成分によって異なるという色彩を緻密に再現。質感をイメージして想像上の風景を描いた「海底登山」、山の息遣いや生命エネルギーを屏風(びょうぶ)に表現した「私の中の自然」といった大作も並ぶ。

 もともと山が好きという八重樫さんにとって、山の芸能である早池峰神楽は創作意欲をかき立てられる存在。蛇紋岩については「岩石の模様はエネルギーの流れの痕跡でもあり、表面をのぞき込むと吸い込まれそうになる。切り取ったらそのまま抽象画になる」と独自の解釈を追求する。

 同展は30日までで、開催時間は午前9時から午後6時まで。問い合わせは同図書館=0198(48)2244=へ。

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