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平成の大修理 現場初公開 国指定重要文化財 千葉家住宅 遠野

 遠野市綾織町の国指定重要文化財「千葉家住宅」。江戸時代の豪農の財力を今に伝える国内最大級の曲り家として全国に知られ、市を代表する観光名所となってきたが、老朽化に伴う大規模な修理工事に伴い、2016年4月から非公開となっている。工期は24年3月まで。市では工事を「平成の大修理」と銘打ち、着工後初めての一般向け現地見学会を9月30日と今月1日に開催。解体中の主屋(しゅおく)や、解体を終えて発掘調査を進めているハセ小屋、大工小屋などを公開した。外部から普段見えるのは、南斜面に築いた石垣の上にそびえる主屋の一部だけ。見学会は工事の進捗(しんちょく)、調査の成果を知る貴重な機会となった。

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「千葉家住宅」メモ

 千葉家は武士の家柄とされ、天保年間(1830~44年)に、飢饉(ききん)にあえぐ村人を雇い入れるため、同住宅を10年がかりで建てたと伝わる。1971年のテレビ中継をきっかけに注目を浴び、翌年から公開。映画「遠野物語」のロケ地としても82年の公開時にブームを呼んだ。

 2007年に主屋と納屋、土蔵、大工小屋などが国指定重要文化財となった。家主が住んで公開していたが、民有のままでは維持管理が難しくなり、13年に市が取得して公営化。一般社団法人遠野ふるさと公社に管理を委託し、官民協働で継承に取り組んできた。

 改修工事では主屋などを解体し、柱や梁(はり)などの部材を調査した上で復元するほか、石垣も積み直す。総事業費は約19億8000万円(うち国庫補助金約12億3000万円)。22年から一部公開、25年にグランドオープンを予定している。

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