演奏通し児童と交流　音楽ユニットメンバー３人　サプライズで指導【北上】

　東京都を中心に活動している音楽ユニット「ア　ベイビー　ハーツ」が10月の１カ月間北上市に滞在し、公演しながら楽曲制作に取り組んでいる。北上は、メンバーの三浦タカさん（30）＝札幌市出身＝が10年前の初訪問以来、大切にしている思い入れのある土地。23日は市文化交流センターさくらホールを訪れ、ドラムの練習に取り組む小学生と、飛び入りのセッションで交流した。

　「ア　ベイビー　ハーツ」は三浦さんとタカナシ太さん（25）＝東京都町田市出身＝のボーカル２人、ギターのカトウトシキさん（24）＝同八王子市出身＝で５月に結成。三浦さんはアカペラグループ「じゃ～んず」の元メンバーで、２００８年に北上市稲瀬町の樺山まつりに出演。この北海道以外で初の公演を契機に、東日本大震災の復興支援活動などで来訪を重ねてきた。

　今回は楽曲やミュージックビデオの制作、公演などに取り組む“合宿”に位置付け、北上を良く知る三浦さんが「10月はイベントが集中する」としてこの時期を選び、いわて・あきた県境国取り合戦や江釣子ショッピングセンターパルなど同市や近隣市町で公演している。

　同日は千田悠稜君（奥州市立胆沢第一小学校３年）の練習中にサプライズで登場。千田君の「モンキーマジック」に歌とギターを合わせたほか、３人もシングル曲「蝉」を披露。「銀河鉄道９９９」でも声を合わせ、音楽で触れ合った。千田君は「楽しい演奏で、オリジナル曲に込めた気持ちも伝わってきた。機会があればまたやってみたい」と笑顔を見せていた。

　３人は複数の新曲を制作中で、29日に北上市北鬼柳のアメリカンワールドで開く滞在最後のライブで披露する予定。三浦さんは「自然豊かで、生活に必要な店舗や飲食店もあり不自由ない環境。何より出会った人たちの温度を感じてきた場所で、（結成間もない）グループがスタートを切れるのは幸せ」と北上への愛着を語った。