一関・平泉

35年分 感謝込め有終 こどものためのファンタジックコンサート 修紅短大幼児教育学科【一関】

修紅短大の学生が付属こども園の園児と共演し、身ぶり手ぶりを交えて歌声を響かせたファンタジックコンサート
最後のファンタジックコンサートを終え、鈴木さん(左から3人目)に感謝を伝える在校生と卒業生
鈴木教授退職で幕

 一関市萩荘の修紅短大(牧野順四郎学長)の幼児教育学科音楽発表会「こどものためのファンタジックコンサート」は23日、同市大手町の一関文化センターで開かれた。同学科教授の鈴木美樹子さん(64)の発案で1983年から35回を数えるコンサートは、鈴木さんが定年退職する今年度で最後。学生たちは短大付属こども園の園児と一緒に、約1200人が見守る中で最後の舞台を成功させ、恩師に感謝を伝えるとともに教えを胸に刻んだ。

 コンサートは、当時非常勤講師だった鈴木さんが「学生手づくりの演奏会を」との思いで始め、企画と演出を現在まで行ってきた。西磐井教育会館で開いた第1回の観客は数人だったが、継続する中で徐々に観客が増えていった。

 コンサートを一から手づくりするのが当初からのこだわり。学生が発表しやすいよう、プロの助言でシンプルに編曲し、衣装や小道具は不用品で作った。学生が得意な楽器を使い、曲調に合わせて照明を変える演出も特徴になっている。

 同日のコンサートは、タッチベルや園児との共演、女声アンサンブル、トーンチャイム、劇あそびミュージカル、フィナーレの6部構成。手ぶり身ぶりを交え、元気いっぱいに歌声を響かせた。

 これまでのコンサートのフィナーレを飾った34曲をメドレーで披露。観客席には「35年間ありがとう」と書かれた横断幕も掲げられ、発表後には満員の観客から大きな拍手が送られた。

 ともに2年で、実行委員長の初貝真実さん(20)は「短い準備期間で本番に間に合うか不安だったが、みんなで協力できた。保育士になってもこの経験を生かしたい」、副委員長の三橋茉依さん(20)は「自分たちで演出やセリフを考え、大舞台で発表できて自信がついた。みんなをまとめるために積極的に動くことの大切さを教わった」と、演奏会を学生と共に築き上げてきた鈴木さんの指導への感謝を口にした。

 コンサートには鈴木さんの教え子も駆け付け、思い出を語り合ったり、恩師に花束を贈ったりした。短大付属こども園保育士の千葉奨太さん(22)は「何事も情熱を持って取り組むことの大切さを鈴木先生に学んだ。最後は1~34回のメドレーもあり、いい形のフィナーレになった」と笑顔を見せた。

 鈴木さんは「今は人間関係が薄い学生が多い。みんなで協力して一つのものをつくることは、卒業して幼稚園教諭や保育士として活躍する中でも生かせる。人のために頑張る気持ちを育んでほしい」とエールを送る。

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