花巻

おなかも心も満足 おおはさま食文化フェス 郷土の味50種提供【花巻】

来場者が郷土料理を試食し、大迫の味覚を堪能した食文化フェスティバル

 エーデルワイン・サポート(藤舘昌弘代表取締役社長)が運営する体験工房「森のくに」の「おおはさま食文化フェスティバル」は3日、花巻市大迫町大迫の同工房で開かれた。地域のボランティアによる郷土料理やアイデア創作メニューが提供され、訪れた人のおなかと心を満たした。

 大迫の食材や郷土料理を通じて昔に思いをはせてもらうとともに、地域の食文化を継承しようと初めて企画。2部構成で開催され、1部の試食会では、地場産野菜を使った煮物、あえ物のほか、ご飯や汁物、デザート、大迫チーズ生産組合の伊藤行雄組合長によるチーズなど約50種類のメニューが並んだ。

 「わらびの生姜(しょうが)浸し」は「めんつゆを使って一晩浸し、おろし生姜を食べる前にたっぷりかける」、「がんづき」は「上白糖、三温糖、黒糖の組み合わせで味が微妙に変化し楽しめる」など、作るときのポイントも紹介。約100人が「作ってみたい献立がいっぱい」「たくさん種類があって食べ切れないね」と話を弾ませながら料理に箸を伸ばした。

 同町大迫出身の武井美砂さん(54)=東京都在住=は「煮しめはお盆、湯団子は大みそかと、それぞれ食べていた行事も一緒に子供の頃を思い出す。皆さんも懐かしがって集まったと思うとうれしいし、また開催してほしい。『夕顔の中華煮』など珍しい調理法も知ることができたので、手に入る食材で再現してみたい」と堪能していた。

 2部では同町の「里やまの会」によるひなまんじゅう作りの実演や地場農産物スイーツの試食、発酵研究家の栗生隆子さんの「TGG豆乳ヨーグルト同好会」による発酵トークなどが行われた。

 藤舘社長は「昔の人にとっては日常的な料理も、今では珍しかったり、食材がめったに手に入らなくなったりして非日常になっている。昔話に花を咲かせながら、味わってもらえたらうれしい」と話していた。

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