縁起袋追い激闘 胡四王蘇民祭 五穀豊穣、息災祈願【花巻】
約150年にわたり花巻市に伝わる胡四王蘇民祭が2日、同市矢沢の胡四王神社で行われた。下帯姿の男衆が蘇民袋を激しく奪い合い、年頭に無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
午前9時ごろから餅つきが始まり、裸参りではたいまつを掲げた裸男や厄男、消防団員、地元の中学生らが麓の社務所から頂上まで参道を練り歩いた。
境内の内外を清める浄火祭、餅まきに続くメインの蘇民袋争奪戦には、遠くはハワイや岡山県、大阪府、兵庫県などから56人が参加し、縁起物のこまが入った袋をめぐり肉弾戦を展開。時折雪が舞う中「ジャッソー」と気勢を上げて体をぶつけ合う男衆に対しておけで水が掛けられ、大勢の見物人を震え上がらせた。
男衆はもみくちゃになりながら参道を下り、袋に群がったまま階段を転げ落ちたり、林の中の雪面に倒れ込んだりして約1時間にわたって激闘を繰り広げた。
2年連続で取り主となったのは紫波町日詰の畠山真さん(39)。「途中で何回も袋が抜けたけど必死でつかんだ。今年も取れたことは自信になるし、新しい年の良いスタートを切ることができた。去年に引き続き健康で1年を過ごしたい」と喜びをかみしめた。
同市の無形民俗文化財に指定されている同祭は、慶応元(1865)年に始まったと伝えられる。戦後の一時期に途絶えたものの、地元の氏子青年会が復活させ、伝統行事として受け継がれている。
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