一関・平泉

多幸願い杯干す 平泉・中尊寺「金盃披き」

参列者が多幸を祈りながら清酒を飲み干した中尊寺金盃披き

 平泉町の中尊寺(山田俊和貫首)で8日、「金盃披(きんぱいびら)き」が行われ、50年目を迎えた金色の杯で1年の幸福を願いながら清酒を飲み干した。

 同寺では、元旦から国家安泰などを祈る修正会(しゅうしょうえ)が営まれ、8日に結願(けちがん)を迎えた。1897(明治30)年に金色堂を修理した記念に銀盃を賜り、地元の有志らを招いて結願を祝った。1968年には金色堂解体復元修理が完了した記念に金色の杯になったという。

 結願となった同日は法楽を営んだ後、山田貫首が年頭に当たって結願を報告するとともに「国内外を見渡すと良いことばかりではありません。修正会の間、1年の無事と多幸を祈らせてもらった。皆さまに幸福が訪れますよう祈っております」とあいさつ。祝謡が披露された後、参列者の代表がたる酒の鏡開きを行った。たる酒は僧侶によって金色のひしゃくでくみ上げられ、大中小の杯に注がれた。振る舞いを受けた参列者は静かに杯を傾けていた。

 今回初めて参列した東北銀行平泉支店長の鈴木ルミ子さん(53)は「ほとんど飲まないのですが、少なめにお願いしたこともあってすっといただけました。昨年4月に転勤してきて2年目になりますが、職場も家庭も幸せになるようにと思っています」と話していた。

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