一関・平泉

認知症 怖い? 症状、感覚 VRで体験 東山【一関】

VRで認知症の状態を体験する参加者

 一関市東山町の東山を面白く企む会(千葉真也代表)が主催するVR認知症体験会「3時間だけ、認知症になってみる。」は3日、東山地域交流センターで開かれた。仮想現実(VR)を通して身近な問題である認知症について学ぼうと県内各地から約80人が参加し、当事者の視点で症状を体験した。

 同VRは東京都でサービス付き高齢者住宅を運営する「シルバーウッド」が制作。VRの技術が国内で初めて認知症教育に応用された事例とされ、これまでに1万人を超える人が体験した。

 同日は同社VR事業部の黒田麻衣子さんを講師に進行。参加者は専用のゴーグルとイヤホンを装着し、物が変形したり大きさが違って見えたりする視空間失認を体験する「私をどうするのですか」、自分の居場所が分からなくなる状態を体験する「ここはどこですか?」、レビー小体型認知症の幻視症状を体験する「レビー小体病 幻視編」の3本のVR映像を視聴した。

 黒田さんは「風邪などと違い、認知症は状態を訴えても理解してもらえない共感のギャップが偏見を助長している。VR体験を基に、想像力を働かせて対処してほしい」と呼び掛けた。

 平泉町から参加した女性(53)は「認知症の体験は脳が混乱するよう。VRを通し、認知症がある人や困っている人に、より親愛を持って対処しなければと感じた」、西村さやかさん(千厩高校2年)は「認知症の感覚を初めは怖いと感じた。(体験後のグループワークで)幅広い世代の人と感想を共有できたので良かった」と話していた。

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