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挑戦の意義 身をもって 教え子にメッセージ 高村和人(盛岡視覚支援学校教)

日本代表の強化合宿で距離スキーの練習をする高村和人(左)=2017年12月28日、札幌市西岡バイアスロン競技場

 【平昌時事】平昌パラリンピック日本代表でただ一人、視覚障害のカテゴリーで出場する高村和人(35)=盛岡視覚支援学校教=。教員の仕事と両立しながら競技を続け、ノルディックスキー距離とバイアスロンで初めて代表の座をつかんだ。

 小学5年生で難病の網膜色素変性症を発症した。徐々に視力を失い、「今は明るさが分かる程度だけど、それもなくなる可能性がある」。大会で三つに分かれるクラスのうち、高村は最も障害が重いB1に入る。

 障害の程度による個人差をなくすため、B1では全員が黒いゴーグルを着用。完全に視界が遮断されている状態でコースを走るのは「命の危険もある。毎回、怖い」。伴走するガイドの声を頼りにゴールを目指す。

 恐怖心に立ち向かい、「前を向いて何かに挑戦することが大事」というメッセージを教え子に伝えようとしている。これは高村自身が学生時代に教わったことでもある。

 視力の低下が続き、高校の途中で盲学校に編入した。「落ち込んでいて、すごくきつかった」と後ろ向きになっていた時期に出会った盲学校の教師は、自分と同じ障害があるにもかかわらず、あらゆる面で生き生きとしていた。「目が見えないことを感じさせなかった。自立していて人間としてもすごいと思った」

 今は当時の恩師らと同じ役目を果たそうとしている。多忙な教師生活の合間を縫って練習を重ねてきた。平昌大会に出場することで、今まで以上に「自信を持って生徒たちに言えるようになる」。チャレンジすることの意義を、自らの身をもって示す。

momottoメモ

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