復興のつち音 力強く 東日本大震災から7年【岩手日日第2朝刊】
2011年3月11日の東日本大震災発生から7年。被災地では、まちづくりを考える上で最も重要な基盤と考えられていた浸水区域のかさ上げやまちを守る大規模な防潮堤、復興道路・復興支援道路、さらに鉄路復旧などのインフラ整備が急ピッチで進められ、そのつち音とともに被災者の生活再建、経済再建への歩みも日一日と力強さを増している。
被災世帯のうち、建設・購入や災害公営住宅への入居などで恒久的な住宅を確保した世帯は8割に上り、かさ上げが終了した地域ではまちづくり計画に沿って真新しい公的施設や商業施設、雇用の場となる工場などの立地も目立ち始めた。被災地が復旧から復興に姿を変えつつある現実が見て取れる。
しかし、5000世帯余りが依然仮設住宅での生活を余儀なくされている。新しい住宅や商業施設が建設されているが、人口減少や観光客の減少、復興特需頼みの地域経済の現状を不安視する住民は少なくない。「沿岸市町村は被災状況が異なり、新しいまちのつくり方、復興の足取りもまた異なる」と話す住民の言葉は、多様な被災地支援と継続の必要性を訴え掛けてくる。
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momottoメモ
◆地域の人が集う場所に 一念発起、Uターンし開業 陸前高田・熊谷珈琲店
◆老若男女に安らぎ提供 総本店「かもめテラス」オープン 大船渡・さいとう製菓
◆おいしいカキで恩返し 高橋さん夫妻 大船渡港から直送 奥州・岩手三陸かき酒場
◆旬の新鮮な魚介類販売 震災縁にアンテナショップ 花巻・綾里漁協「りょうり丸」
◆つながり生む交流拠点 ホープラザ 3月末で閉所へ 奥州・復興支援奥州ネット
◆避難者の心と体をケア 市社協 コミュニティー形成も 一関・ふるさとお茶っこ交流会
◆新入学児に体操着寄贈 花巻に本社移転も、大槌支援 つくし薬局・ハートプロジェクト
◆生活再建の様子、間近で 松田代表「声を掛け続けるのが大事」 北上・三陸復興応援団きたかみ
◆復興、支援道路整備 20年度開通へ着々
◆山田線、三鉄移管へ1年 鉄路復旧 地元自治体が駅舎建設
◆生活再建、約8割が新居確保