一関・平泉

憩い語らう場に 花泉で初、認知症カフェ始動 高齢者施設 月1回定期開催【一関】

花泉地域第1号の認知症カフェ「華カフェ」がスタート。季節の話題や認知症の学習で和やかに談笑する参加者ら

 一関市花泉町の高齢者グループホーム「いこいの華」は、花泉地域第1号の認知症カフェ「華カフェ」を開設した。初日の12日は地域の高齢者14人が訪れ、桃の節句の由来や学校時代の思い出などを語り合うとともに認知症について学んだ。同所では今後毎月第2木曜日にカフェを設ける考えだ。

 同所は、NPO法人ケアセンターいこいが運営する認知症対応型共同生活介護事業所。認知症予防や認知症に対する不安、1人暮らしで話し相手が減ってきたなどの悩みに応えようと認知症カフェの開設を検討。同法人は一関地域で2017年4月から行っており、法人としての実績とともに、市社会福祉協議会の高齢者総合相談センターはないずみのサポートを受けて開設準備を進めた。

 同所のコミュニティスペースを活用するカフェは月1回で、事前予約なしで参加できる。茶菓代として200円が必要となる。

 開設初日は、参加者と施設職員が自己紹介。それに合わせて話題としてそれぞれの「卒業」をテーマに話した。年齢層が幅広いこともあって、物がない時代だったり、はかまを着けての服装でも履き物が違ったり、ホテルでの式で緊張感だけ覚えていたりとさまざま。思い出を語り合い談笑した。

 話題提供としてひな人形の飾り方や桃の節句の豆知識を同所の小野寺信子管理者と同法人の小野清秀副理事長が話すと、感心して聞いていた。

 また、一関西部地域包括支援センター・認知症地域支援推進員の小野寺ヨシ子さんが手作り人形との掛け合いで認知症について紹介。「いつも乗っているバスの降り方が分からない」「簡単なお釣りの計算ができない」などの症状を示した上で、「こうした症状で不安を感じて外に出なくならないで。カフェに参加するなど外で刺激をもらい、頭を使う生活をすると進行がゆっくりになる」などとアドバイスした。

 参加者は「次回も楽しみにしているよ」「友達も誘ってくる」と口々に話していた。

 高齢者総合相談センターの佐々木紫管理者は「カフェを通じて地域の見守り支援の輪が広がり、安心して暮らせる地域づくりに役立ててほしい」と話し、28日にはグループホームさくら花泉主催で市役所花泉支所を会場に認知症カフェ「さんサンカフェ」が開かれるという。

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