一関・平泉

苦しむ人に寄り添う 藤沢・長徳寺住職渋谷さん 震災きっかけ 認定臨床宗教師に【一関】

日本臨床宗教師会の認定臨床宗教師となった渋谷さん

 一関市藤沢町の長徳寺住職・渋谷真之さん(42)は、日本臨床宗教師会(島薗進会長)の認定臨床宗教師となった。渋谷さんは東日本大震災などをきっかけに臨床宗教師となり、電話相談や病院、福祉施設で活動している。認定を機に「これからも勉強を続け、必要とされる場があれば協力したい」と意気込む。

 臨床宗教師は宗教、宗派にこだわらず、終末期医療の現場や在宅の患者に寄り添い、心をケアをすることを目的に活動する。2011年の東日本大震災の際、宗教者が結集して犠牲者の追悼や遺族のケアに当たったのが誕生のきっかけという。

 渋谷さんは、自身の震災体験とともに、臨床宗教師として活躍している人たちから大きな感銘と刺激を受け、16年に東北大の臨床宗教師研修講座を受講。市内外の病院や福祉施設などで活動している。

 このほど日本臨床宗教師会が資格認定制度を設けたことから、活動実績と、理事を務める北海道東北臨床宗教師会の推薦を得て申請を行い、渋谷さんを含む146人が5日に初の認定を得た。

 広告代理店の営業経験のある渋谷さんは「人と話すのは慣れていると思っていたが、心で話すとか、心の扉を開くことがなかなかできず怖くなったり、悩んだりしたこともあった。臨床宗教師の研修でようやく己を知ることができたし、自分の中で大きな変化があった」と振り返り、「苦しんでいる人に手を差し伸べるのが臨床宗教師。苦しみの現場はいろいろあり、その現場へ出掛けることを大事にしたい」と決意を新たにする。

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