奥州・金ケ崎

春のお出掛けの前に“痛くならない”靴の選び方

管野博久さん
悠美 シニアライフを美しく過ごす

 いわにちリビングによるシニアライフの情報誌「悠美」を、今回は生活情報誌「un」と一緒にお届けします。

 長かった冬も終わり、旅行や買い物に出掛けたくなる季節。でも「歩くと足、腰、膝が痛くなって…」という悩みはありませんか。その原因は合わない靴にあるのかもしれません。大人の靴選びの注意点を教わりました。

1 まずは「かかと」をしっかりロック

 教えてくれたのは、靴店を営みながらフットケアトレーナーとして子供の「足育」などに取り組む管野博久さん。けがや痛みを防ぐために「まずはかかとの芯がしっかりした靴を選んでほしい」と話します。かかとの芯は着地を安定させて、蹴り出しをスムーズにする重要な部分。サンダルなどのかかとのない靴だと地面を強く蹴れず、つま先が上がらないため、つまずいたり転んだりしやすくなります。転倒は、年齢によっては生活の質を左右する大きなリスク。最近は入院患者の院内履きをかかと付きの靴にする病院も増えているそうです。

2 自分の正しいサイズと形を知ろう
 
自分に合う靴を選ぶには、足の正しいサイズを知ることから。管野さんは「大人も子供も、実際よりも大きいサイズを履いている人が多い」と感じています。大きいと靴の中で足が滑り、疲れや足トラブルの原因に。特に筋力が弱い女性や、成長過程の子供はバランスを崩しやすいので、履いている靴が大き過ぎないか点検を。大きめを「ちょうどいい」と思い込んでいることもあるので、試着する前にお店で計測してもらうのがおすすめです。また、つま先の形も指の長さがそろった四角形や、人差し指が長い三角形など人それぞれ。婦人靴にはポインテッド、ラウンド、スクエアなどのつま先デザインがありますが、自分の足の形に合わせて選ぶと良いでしょう。

3 足をしっかり固定できるタイプを 正しくフィットした“細身”の靴が理想

 足には足裏の3点を結んだアーチ構造があり、このアーチがたわみながら全身を支えています。しかし、加齢とともに筋力が低下するとアーチも衰え、そこに合わない靴を履き続けると足(脚)や関節に負担がかかり、気付かないうちに外反母趾、タコ、腰痛、膝関節痛が進行する恐れも。

 痛みが気になり始めると、ゆったりと幅の広い靴が楽だと思いがちですが、「足のためには、甲周りをしっかり押さえてくれる細身の靴が理想です」と管野さん。甲周りを締めることでアーチ構造が支えられ、筋力の弱さをカバー。足にフィットした靴は窮屈ではなく、むしろ「楽に歩ける」と感じられます。靴のタイプは自分の甲に合わせて調整できるひも靴がおすすめ。痛みを緩和するには、テーピングやサポーターで甲周りを押さえる方法もあります。

4 インソールでバランス調整

 手持ちの靴にインソール(中敷き)を入れ、自分の足に合った靴にすることもできます。衝撃を吸収し、ゆがみを足元から補正できるインソールの効果は絶大。ただし、目的に合わないインソールだと逆効果になることもあるので、「どれを選べばいいか分からない」という人はお店に相談しましょう。

管野博久さん

予防医学の観点から靴の正しい履き方、選び方を啓蒙する「NPOオーソティックスソサエティー」の認定フットケアトレーナー。奥州市のかんのシューズ代表取締役。

<取材協力>

かんのシューズ本店

住/奥州市東町26-8
電/0197・24・8192
営/9時~19時
休/元日

http://www.kanno-shoes.com/

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