北上・西和賀

一針一針 30年の思い出 歩み振り返り最後の作品展 キルト同好会【北上】

作品を前に30年の歴史を振り返る会員

 北上市の鬼柳1区住民で構成するパッチワークキルト同好会(阿部郁子会長)が、会員の高齢化などを理由に活動30年を節目に幕を閉じる。思い出深い作品を持ち寄った最後の作品展が29日、同市鬼柳町町分の鬼柳町第1区公民館で始まり、会員は思い出話に花を咲かせながらこれまでの歩みを振り返っている。

 同会は、小中学校の教諭を退職後にパッチワークに魅せられた阿部会長が地域で広めたのが始まり。1988年度に活動を開始し、今年で30年となる。農閑期の女性たちの集まりとして、秋から春にかけ週1回ペースで同公民館に集まって開催。ピーク時には15人ほどいた会員も今年度は6人と少なくなり、高齢化もあり今冬は積雪の多さに月1回ほどしか集まることができず、活動継続が難しいと判断した。

 「おもいで作品展」と銘打った最後の展示には、亡くなった元会員も含め10人が自宅で大切に保管していた作品83点を持ち寄った。幾何学模様の組み合わせやカラフルな色使いが特徴のパッチワーク。一針一針縫い目をなぞると作り手の温かさが伝わってくる。

 阿部会長(91)は「30年続けてきたことをやめるのは残念だが、高齢化は仕方がない」と惜しみ、同じく活動開始当初から参加する高橋静子さん(87)は「一緒の時間を過ごすことが楽しく、皆さんのおかげで続けられた。今後、時間をどう過ごせばいいか迷うが、皆で公民館での集まりを続けたい」と、つながりを生きがいとしたい考えだ。

 作品展は30日午前9時~正午。入場無料。

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