一関・平泉

【特集】春の藤原まつり

みちのくの春を彩る平安絵巻

 みちのくの古都・平泉を舞台に繰り広げられる「春の藤原まつり」。平安時代末期に華やかな黄金文化を築いた奥州藤原氏四代の供養と源義経主従にまつわる多彩な催しが平泉町内で5月1日から5日間にわたり催されます。中でも最大の呼び物となる3日目の「源義経公東下り行列」は、兄頼朝から逃れて平泉にたどり着いた義経主従を藤原秀衡公が温かく出迎えたという故事を再現。平安装束をまとった総勢93人が毛越寺から中尊寺金色堂までの約4キロを1時間半かけて練り歩き、豪華絢爛な時代絵巻が観客を雅の世界へといざないます。

イベント日程
藤原四代公追善法要 5月1日(火)午前10時

 平安時代、平泉に華やかな黄金文化を築いた藤原四代公(清衡、基衡、秀衡、泰衡)の栄華をしのび、中尊寺本堂で営まれる法要。毛越寺でも同時刻に開山大師、藤原四衡公報恩法要が営まれ、5日間にわたる祭りの開幕を告げる。

稚児行列 5月1日(火)午前10時30分

 藤原四代公追善法要の法楽として行われているもので、幼い子どもたちがかわいらしい笑顔を振りまきながら中尊寺境内を練り歩く。男の子は烏帽子、女の子は宝冠をかぶり、手に桜の造花を携えた赤と青の狩衣姿は新緑の季節を迎えた境内に映える。

弁慶の力餅つき 5月1日(火)午前10時

 弁慶力餅競技保存会のメンバーをはじめ、町内の子どもたちが昔ながらの杵と臼を使い、餅を威勢良くつき上げる。5日の力餅競技大会のPRを兼ね、つきたての餅は見物客に振る舞われる。

開山護摩供法要 5月2日(水)午前11時

 850(嘉祥3)年に中尊寺を開山した慈覚大師をたたえる法要で、一山の僧侶が全員参加し開山を祝う。本来、開山したのは3月24日だが、毎年、祭り行事の一環として藤原まつり期間中に行われている。

源義経公追善法要 5月2日(水)午前11時

 悲運の名将として知られる源義経が自害したとされる高館・義経堂で営まれる。義経は藤原秀衡の厚い庇護のもと、青年期を平泉で過ごした。兄・頼朝の挙兵を聞き、そのもとにはせ参じ、兄・範頼とともに屋島、壇の浦の合戦で宿敵平氏を打ち破った。しかし、義経の名声を脅威に感じた頼朝の圧力に屈した泰衡に攻められ、1189(文治5)年、31歳の若さで自害した。毛越寺は義経をしのび、高館に供養塔を建立。今も多くの義経ファンが英雄の最期の地を訪ねている。

源義経公東下り行列 5月3日(木)午前10時

 兄・頼朝に追われ、平泉に落ちのびてきた源義経を、藤原秀衡らが温かく出迎えた様子を再現するもので、騎馬武者、御所車、侍女ら総勢93人による平安絵巻そのままの雅びやかな行列。メーンの本行列は毛越寺山門を午後1時30分に出発し、中尊寺へと向かう。今年で57回目。
 今年は主役の義経役に俳優の磯村勇斗さん、秀衡役にふるさと平泉会会長の西村専次さん、北の方役に一関市出身の大学院生の松田美穂さんが扮する。行列は早馬武者に続き国衡、泰衡ら秀衡の息子とその従者、牛車に乗った秀衡、金売吉次と続き、中央付近に白馬に乗った義経。以下、北の方、山伏姿の武蔵坊弁慶ら義経の家臣が後列を固める。

哭(なき)まつり 5月4日(金)午後1時

 葬送の奇祭として知られ、観自在王院を建立した基衡の夫人の霊を慰めるために行われる。毛越寺の僧侶らによる白い棺と旗を持った列が、読経とともに阿弥陀堂を3周し、墓を参拝する。

延年の舞 5月5日(土)午前11時

 毛越寺で毎年1月20日に行われる摩多羅神の祭礼(二十日夜祭)で奉納される、平安時代の形式を残す楽舞。国の重要無形民俗文化財に指定されている。
 春の藤原まつりでは最終日に毎年上演され、今年は寺に伝承されている十数番のうち、唐拍子、若女禰宜、老女、花折が演じられる。

弁慶力餅競技大会 5月5日(土)午前10時

 義経の家臣で、強力で知られた武蔵坊弁慶にちなんだ大会で、今年で93回目の開催。2段重ねの鏡餅70キロと供物台90キロの総重量160キロを抱え歩く距離を競う。女性の部では総重量50キロで競われ、現代の弁慶たちによる豪快なパフォーマンスに観光客から熱い声援が飛ぶ。

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