県内外

視野を広く夢持て 岩手大創立69周年 OB桜井氏(前南相馬市長)が講演

フリーディスカッションを行う(左から)岩渕学長、桜井氏、齋藤さん、小野さん、二永さん

 岩手大の創立69周年を記念した講演会が2日、盛岡市の同大で開かれ、同大農学部出身で前福島県南相馬市長の桜井勝延氏が講演した。学生らとのフリーディスカッションも行い、自らの経験を基に学生時代に人間関係を築き、積極的に視野を広げるよう勧めた。

 「東日本大震災南相馬市の歩み」と題し講演した桜井氏は、津波や東京電力福島第1原発事故の甚大な被害を受けた地域の首長として、被災当時の状況や復旧・復興に向けた取り組みを報告。7万1500人いた市民は6万3000人が避難を余儀なくされ、物流が止まり、国の情報や報道もなかったと原発事故の発生直後を振り返った。

 その一方でいかに復興させるかを常に考えてきたといい、「原発事故という負の遺産、風評被害から正の発信を出さなければならない」とロボット研究・産業の振興による復興に注力したことを紹介。多くの国の支援で勇気づけられたことを後輩に伝えるとともに、地域が良くなっていくことを願い、同大卒業生の活躍に期待した。

 引き続き、岩渕明学長の進行で「これからの大学に期待すること」をテーマに、桜井氏と同大の二永芽生さん(教育学部3年)、小野史織さん(理工学部3年)、齋藤七彩さん(教育学部3年)がフリーディスカッションを行った。

 桜井氏は若者に自分の夢をしっかり持ってほしいと訴え、震災の経験が社会に出た時に自己の成すべきミッション(使命)の一つになることを期待。母校岩手大で過ごした4年間についても「自分の原点。社会的な拘束を受けない時間がある時に、いろいろな現場や事柄を経験し、人間関係を築くことは将来の財産になる」と語った。

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