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復興の象徴公開 釜石鵜住居スタジアム 19日に竣工式、記念試合【岩手】

常設の客席が完成し初めて報道陣に公開された釜石鵜住居復興スタジアム=釜石市

 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)の会場となる釜石市に新たに完成した釜石鵜住居復興スタジアムが3日、報道陣に公開された。スタジアムだけではなく、防災や東日本大震災からの復興の象徴としての役割も期待される。19日には竣工(しゅんこう)式やメモリアルマッチなどのオープニングイベントが予定されている。

 同スタジアムは、震災の津波で被災し高台に移転した鵜住居小学校と釜石東中学校の跡地に整備された。

▲山林火災で被災した木材が使用されている常設のスタンド

 「羽ばたき」や「船出」をデザインコンセプトに2017年3月から整備し、7月31日に常設6000席のスタジアムが完成した。敷地面積は9ヘクタールで、天然芝のメイングラウンドは約1万1000平方メートル、サブグラウンドは約1万平方メートル。管理事務棟はロッカールームやテラス、展望デッキなどがある。総事業費は17年2月時点で約39億円を見込む。

 常設の客席には、17年に同市で発生した大規模山林火災で被災したスギ約800本を使い4990席を整備した。この他には、東京ドーム(240席)や旧国立競技場(240席)、熊本県民総合運動公園陸上競技場(120席)から譲り受けた計600席が、「絆シート」として使われている。

 来年のW杯までに、仮設スタンドとして約1万席が整備される予定。

 市ラグビーワールドカップ2019推進本部事務局の正木隆司総括部長は「震災で受けた世界中からの支援に感謝の気持ちを届けるとともに、復興が進んだ釜石の現状を発信したい。大会の開催は子供たちの心の大きな財産になるので、本番に向け全力で取り組みたい」と述べた。

 スタジアムの完成を受け同市鵜住居町の旅館「宝来館」のおかみ岩﨑昭子さん(62)は「日本一ラグビーが大好きな釜石で、日本一ラグビーを応援する鵜住居。世界の皆さんに震災から復興に向けた8年の歩みを見てもらいたい」と話していた。

momottoメモ

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