一関・平泉

適切な医療 仕組み強調 一関 ICT活用公開勉強会

公開勉強会で会場からの質問に答える安部事務局長(右)、杉内院長

 ICT(情報通信技術)活用による患者情報の共有化を題材にした公開勉強会(機能強化型在宅療養支援チームいわい西主催)は19日、一関市大手町の一関文化センターで開かれた。住民の病気や薬、検査結果などの情報を病院や薬局、介護事業所、行政間で共有する「未来かなえネット」について運営機構の安部白道事務局長が概要を紹介。同ネットに参加する昭和病院の杉内登院長は独居高齢者が増える中、速やかに適切な医療が受けられる仕組みとして有効性を強調した。

 同日は「備えあれば憂いなし~いざというときのために~ICT情報共有システムはあなたの命を守ります」と題して開かれ、市内外から医療、介護の関係者ら約100人が参加した。

 情報共有システムは、個人の病気、薬、検査結果などを登録し、ICTで共有化することで救急時にも迅速な対応が可能な仕組み。各種医療、介護施設の連携により迅速で、適切な医療・介護サービスにもつながることが期待されている。一関地方からは現在、病院や薬局、介護施設など26施設が参加している。

 いわい西の長澤茂代表があいさつした後、かげやまクリニックの景山鎭一院長の進行で各講演が行われた。

 「あなたを支えるライフライン」と題して講演した安部事務局長は、未来かなえネットの内容を紹介。希望する住民が登録した情報を同ネットに参加する医療機関などが共有することで「要らない治療、薬を止めることができる」と語った。

 「救急医療におけるICTの有用性」について講演した杉内院長は「一刻を争う状況では、患者に関する情報が一番欲しい。独居高齢者が重症だった場合、本人から情報は引き出せないので、今は『お薬手帳』が医師にとって重要なツールになっている」と述べ、情報共有システムの構築が救急医療にも効果的であることを力説した。

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