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盛岡一高生と意見交換 外国人研究者 推進モデル校で初 ILC実現へ

素粒子物理学を専門に研究するブカシノビッチさん(左)、カチャレビッチさんと意見交換する盛岡一高の生徒

 次世代の大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の東北誘致を見据え、県が指定する推進モデル校の県立盛岡一高(川上圭一校長、生徒842人)で26日、訪日外国人研究者との意見交換会が開かれた。生徒が国内候補地の北上高地(山地)に建設される可能性などについて質問し、ILC建設が実現した未来へイメージを膨らませた。

 意見交換会は、ILCに関わる人材の育成を目的に県科学ILC推進室が開催。推進モデル校では初めての試みとなる。

 同日は、ともにセルビアの大学院生で素粒子物理研究などに携わり、東北大に留学中のゴラン・カチャレビッチさん(32)とナターシャ・ブカシノビッチさん(27)が盛岡市の同校を訪問。理数科などの生徒8人と意見を交わした。

 生徒たちは英語を駆使し、「ILCが関わる仕事にはどんなものがあるのか」「岩手に誘致される可能性はどのくらいか」といった疑問を積極的にぶつけた。

 研究者2人はこれらの質問について、「ILCが実現したら研究者のほか、それをサポートする医療系の仕事やエンジニア、運転手など多様な職種が必要とされる」「北上山地が適切な候補地として認められている。岩手に建てられることを期待している」などと丁寧に回答した。

 また、未来の研究を担う生徒たちに対し、ブカシノビッチさんは「とにかく好きなことに、自分の意思に従って取り組んでほしい」、カチャレビッチさんは「得意な分野を確かめ、それに集中してほしい」とそれぞれエールを送った。

 研究職を目指しているという鎌田千里さん(2年)は「最先端の研究で国際的に経験を積んでいる人の話が聞けてうれしい。岩手にILCが実現した時に向けての参考になった」と話していた。

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