新たな“足”積極活用を おでかけバスと湯けむりタクシー 関係者ら出発祝う【西和賀】
西和賀町は1日、二つの新たな公共交通の運行を始めた。町民バス「おでかけバス」は他の公共交通を補完する日中の足として開始。「湯川温泉湯けむりタクシー」は、県交通のバス路線廃止に対応するもの。それぞれの停留所で出発式を開き、積極的な活用を願った。
「おでかけバス」は、事前登録制で通院目的にのみ利用できた町の患者輸送バスに替わる物。登録なしで目的を問わず利用できる。沢内方面は週1日、湯田方面は週2日、曜日を決めて5路線で平日に走る。
試行期間の1年間は運賃無料。湯田方面の車両は青、沢内方面は赤のラッピングを施し、町のキャラクター「カタクリンコちゃん」などをあしらった真新しいデザインとした。
「湯川温泉湯けむりタクシー」は原則予約制で、乗合方式。県交通湯川線とほぼ同じルートで、JR北上線ほっとゆだ駅―湯川温泉間の上下で毎日運行する。同駅発と、湯川温泉午前10時25分発の便は予約なしで乗車できる。
タクシー名の入ったマグネットシートが車両の目印。運賃の上限は200円。
出発式はバスが西和賀さわうち病院、タクシーは同駅で実施。住民代表ら関係者が集まる中、細井洋行町長らが運転手に花束を手渡して安全な運行を願った。
同町内の鉄道や路線バスは削減が続き、公共交通の利便性拡張や維持が課題となっている。細井町長は「おでかけバスは特に高齢者にとって、買い物や外出などの生活支援に加え、健康寿命を延ばす社会参加の機会創出にもつながる。湯けむりタクシーは導入を積極的な情報発信の機会と捉えて名付けた。多くの住民や観光客に効果があるよう運行していく」としている。