北上・西和賀

北上の四季、観光PR マレーシアから旅行会社招聘 誘客へ可能性探る

みちのく民俗村を視察するマレーシアの旅行会社の一行

 マレーシアの旅行会社の関係者が30日、北上市入りした。茶道や書道を体験し、みちのく民俗村などを視察。日本の伝統文化や古来からの自然風景に触れ、観光素材としての可能性の高さを認めた上で誘客への課題を指摘した。

 外国人への観光情報発信、誘客につなげようと同市、青森県弘前市と秋田県仙北市(角館)の3市で組織する「みちのく三大桜名所連絡会議」の事業として実施。2016年度のタイ、17年度の米国に続いて旅行会社を招聘(しょうへい)した。

 今回は11社の11人が訪れ弘前市、仙北市を視察後に北上市入りし、展勝地レストハウスで書道、茶道の和文化を体験。みちのく民俗村では南部曲がり家や池、庭など日本古来の原風景、鮮やかな紅葉に感嘆の声を挙げカメラに収めていた。

 ゴールデンアドベンチャー社のウオン・コクビンさん(50)は「きれいな景色。マレーシアの人はこういう場所が好き。伝統的な建物、庭にも興味がある」と絶賛。イージーアンドファン社のロック・ホン・イーさん(52)は「日本らしい昔の物が残っていて、書道や茶道もいい」、Jホライズンズトラベルの本浦有実子さん(43)も「マレーシアでは桜や雪が人気。向こうでは全然見られない紅葉の色彩も魅力的」と、観光地として太鼓判を押していた。

 さらに、「写真をじっくりと撮らせ、スポットをきっちり紹介すべき」(イーさん)「インスタ映えする場所のニーズが高い」(本浦さん)と、インターネット交流サイト(SNS)での発信効果を見据えアドバイスした。

 一方で「マレーシアからの直行便がない。ルートがうまくつながればもっと来るだろう」(コクビンさん)、「地元農家の民宿なども求められる。体験も組み入れ点から線、面の観光へ」(イーさん)、「国内線の飛行機はとりづらく(観光地の)宿も集中する」(本浦さん)と指摘。イスラム教徒の受け入れなど宗教、食事面での課題も挙げられた。

 市商業観光課の担当者は「さまざまなアドバイスをいただいた。宗教的な面、食事面でも対応していく必要がある」と、外国人客受け入れの課題を認識していた。

 一行は市立博物館なども視察。31日は市立鬼の館などを見学し北上を離れ、11月1日に帰国する。

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