職人技間近に オープンファクトリー 県南3市町26カ所公開 五感市 9~11日東北初開催【岩手】
ものづくりの現場を公開し、来場者に体験してもらう「オープンファクトリー『五感市』」(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は9~11日の3日間、奥州、一関、平泉3市町を会場に開かれる。県南の工場や工房などを同時に一般公開するイベントで東北では初の開催となり、今回は3市町の28事業所が参加し、26カ所が公開の対象。期間中は普段は見ることができない作業工程などを間近に体感でき、実行委では職人の技に触れてもらうことを通して交流人口の拡大、ファンづくりなどを目指していく。
オープンファクトリーは、伝統工芸などの工場、工房を公開するもので、ものづくりのまちとして名高い新潟県の燕三条地域で開催される「工場(こうば)の祭典」は毎年多くの来場者が訪れる人気イベントになっている。県南地方で伝統工芸の普及、発展を目指すいわて県南エリア伝統工芸協議会では2016年から3回にわたって「平泉五感市」を開催したが、さらに規模を拡大して各企業の魅力を連携して全国に発信することでものづくりのブランド化を目指していくために、実行委を組織してオープンファクトリーを開催することとした。五感市の名称は、現場を実際に見てにおいや空気感、音、温度、味などを五感で感じてもらいたいという願いを込めている。
参加しているのは、南部鉄器や岩谷堂箪笥(たんす)、秀衡塗など伝統工芸だけでなく酒造や菓子製造、食品加工など多岐にわたる。各会場では日ごろと同様に作業の様子を見学できるほか、製作体験などもできる。見学は来場者が直接会場を訪問しても可能だが、全5コースのバスツアー(有料)も開催してホームページ(HP)で申し込みを受け付けている。
実行委では3市町にそれぞれ案内所を開設し、各会場の紹介に当たる。案内所は一BA(一関市上大槻街)と翁知屋(平泉町平泉)、cafe&livingUCHIDA(奥州市水沢東大通り)で、パンフレットも配布する。
初日はオープニングセレモニーを平泉町の平泉文化遺産センターで行い、開幕を祝うほか、2日目にはトークショーとレセプションを一関市田村町の世嬉の一酒造クラストンで開催。トークショーはセメントプロデュースデザインの金谷勉氏が「伝統的な工芸・技術を新たな商品に」、中川政七商店の井上公平氏と翁知屋の佐々木優弥氏、岩谷堂タンス製作所の三品綾一郎氏が「全国に広がるオープンファクトリー」をテーマにそれぞれ語る。
開催を前に、10月29日には参加事業所の関係者が一堂に会して最終的な打ち合わせを行って五感市の成功を期した。蜂谷淳平実行委員長は「他のオープンファクトリーでは、普段表舞台に出ない職人たちがスターのようにキラキラしてファンもおり、その状況をこの地域でも起こしたいと思っている。東北初開催で、第一歩はどのような状況になるか分からないが、楽しくやっていきたい」と語っている。
問い合わせは京屋染物店=0191(23)5161=へ。HPアドレスは次の通り。
http://iwate-kennan-kogei.com/openfactory/
【奥州市】
彫金工芸菊広(江刺愛宕)0197(35)0381
岩谷堂タンス製作所(江刺愛宕)0197(35)6016
回進堂(江刺愛宕)0197(35)2636
及源鋳造(水沢羽田町)0197(24)2411
佐秋鋳造所(水沢羽田町)0197(23)6663
正法寺(水沢黒石町)0197(26)4041
【一関市】
世嬉の一酒造(田村町)0191(21)1144
一関シネプラザ(磐井町)0191(23)2902
松栄堂(地主町)0191(23)5009
京屋染物店(大手町)0191(23)5161
京呉服すがわら(新大町)0191(23)5537
精茶百年本舗(赤荻雲南)0191(25)4321
一関ミート(萩荘要害)0191(24)2687
磐乃井酒造(花泉町涌津)0191(82)2100
猊鼻渓舟下り(東山町長坂)0191(47)2341
館ケ森アーク牧場(藤沢町黄海)0191(63)5100
佐々木製篭店(千厩町千厩)0191(52)3230
和服工房小春屋(千厩町清田)0191(53)2932
小山太鼓店(室根町矢越)0191(64)2056
及川石材店(室根町津谷川)0191(65)2512
丸三漆器(大東町摺沢)0191(75)3153
八木澤商店(大東町大原)0192(55)3261
デクノボンズ(大東町渋民)0191(75)3096
【平泉町】
翁知屋(平泉字衣関)0191(46)2306
平泉ワイナリー(長島字砂子沢)0191(48)4360
チバインテリア(平泉字佐野原)0191(46)4234