小林陵 今季初戦3位 W杯ジャンプ男子
【ビスワ(ポーランド)時事】ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は18日、ポーランドのビスワで個人第1戦(HS134メートル、K点120メートル)が行われ、22歳の小林陵侑(盛岡中央高-土屋ホーム)が137・5メートルと127メートルを飛び、合計255・6点で、W杯自身初の表彰台となる3位に入った。1回目で3位につけ、順位を守った。エフゲニー・クリモフ(ロシア)が263・4点でW杯初優勝。
小林潤志郎(盛岡中央高-東海大-雪印メグミルク)は19位。他の日本勢は2回目に進めず、伊東大貴(同)は34位、竹内択(北野建設)は43位、中村直幹(東海大)は44位だった。
小林潤は1回目122・5メートルを飛び11位につけたが、2回目は上位勢が飛距離を伸ばす中で1回目と同じ記録にとどまり、19位に後退した。ビスワは昨年11月にW杯初優勝を果たした場所。その時のトロフィーが9月の北海道地震で大破したが、試合前にレプリカが贈られるうれしいサプライズがあった。「期待を力に変えたい」と意気込んだが、1年前の再現はならず、「2回目は少し力んだ。相性のいい台なので19位だったのは残念」。ただ、小林陵が表彰台に立ったことについては「すごい」と喜び、「弟に負けないように」と気持ちを新たにした。
公式練習から大ジャンプを連発していた小林陵が個人戦では自身初の表彰台に駆け上がった。兄の潤志郎が真っ先に祝福すると、いつものポーカーフェースが緩んだ。
1回目は向かい風も味方につけ、HSをゆうに越えてこの日最長となる137・5メートル。飛び過ぎて着地でバランスを崩し、お手つきで飛型点が大きく減点されたが3位につけると、2回目はスタート位置を1段下げる安全策を取り、追い風の中127メートルまで伸ばした。
「調子はすごくいい。イメージ通りに動けている」と自信を持って臨んだ最初の個人戦は、「みんな(調子が)整ってないのでチャンスだと思っていた」。着地失敗があっても余りある大飛躍でその好機を逃さなかった。
若手台頭が待たれる男子ジャンプ陣にあって、平昌五輪では日本勢最高のノーマルヒル7位入賞、ラージヒル10位と奮闘。夏に「助走の感覚を変えた」ことが飛距離につながり、国際大会グランプリでも2勝を挙げるなど成長著しい。今季の目標に掲げる「とりあえず1勝」もぐっと近づいた。