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岩手競馬が再開 禁止薬物で久々レース 熱い歓声戻る

レース再開で繰り広げられる競走馬の熱戦に観衆の歓声が戻った水沢競馬場

 県競馬組合は、競走馬からの禁止薬物の検出でレースを中止していた岩手競馬を24日に再開した。奥州市水沢の水沢競馬場では午前10時20分発走の第1レースを皮切りに全11レースを開催。久々のレースを楽しむ観衆の歓声が響いた。レース中止による単年度収支均衡への影響が懸念される中、禁止薬物検出の原因が究明されないままのレース再開。コース上では、勝利を目指した人馬一体のレースが繰り広げられ、足を運んだ熱心な競馬ファンや家族連れらは熱い視線を送った。

 宮城県栗原市から家族と訪れた髙橋勝子さん(50)は「再開を待っていた。中止が続いたままで廃止になるのかと心配していた。競馬に関わって仕事をしている人たちも多く、廃止になった場合は大変だと思う。知事はダメージを少なくするために再開を決めたのでは。岩手競馬は存続してほしい」と再開を喜び、「若い人たちにも競馬場に来てもらうためのイベントを開催するなどして競馬を盛り上げてほしい」と期待。

 大船渡市から家族連れで来場した30代男性は「原因は究明してほしい。お客さんが楽しんでいるのであれば競馬は続けた方がいいと思う」と話していた。

 岩手競馬では、7、9、10月のレースに出走した計3頭から禁止薬物が検出され、今月10~12日に水沢競馬場で予定していた全レースの中止を決定。さらに、2頭の競走馬から禁止薬物が検出された厩舎(きゅうしゃ)が管理する全10頭の検査の結果、新たに1頭から検出されたため、17~19日の水沢競馬場のレースも中止していた。

 同組合では、原因究明に至っていないものの、監視・警備体制の強化などの再発防止策に加え、24日以降の今シーズンのレースでは水沢競馬場在厩馬の出走予定全頭の禁止薬物事前検査を実施することで、競馬の前提条件の「公正確保」が担保できるとして再開を決断した。

 水沢競馬前半は同日から26日までの3日間で、25、26両日とも全11レースを開催。26日第10レース(午後3時15分発走)では、他地区の有力馬を迎えた2歳牝馬の重賞競走、岩手日日新聞社杯第35回プリンセスカップ(M2、2歳牝馬・ダート1400メートル)が行われる。

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