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小林陵 満点発進 総合得点 トップを独走 W杯ジャンプ男子

W杯ジャンプ男子で3勝目を挙げた小林陵侑=2日、ロシア・ニジニータギル(EPA時事)

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は個人5戦を終え、22歳の小林陵侑(盛岡中央高-土屋ホーム)が初優勝を含む3勝に3位2度と総合得点でもトップを独走。「100点」と自賛する最高のスタートを切った。

 小林陵は新星になるチャンスを逃した過去がある。19歳で迎えた2016年1月のW杯デビュー戦でいきなりの7位。16~17年シーズンからはW杯メンバー入りも果たしてフル参戦したが、1試合も2回目に進めず、昨季も最高6位の総合24位。順調にいくと信じていた矢先でつまずき「正直、ジャンプ界で1位は取れないんじゃないかと思った」。自信を失いかけたが、心技体を磨き世界トップへの道を再び歩み始めた。

 夏に助走を修正したことで飛距離が格段に伸びた。新たにメンタルトレーニングも取り入れ、考え込みやすい傾向もなくなってきていると話す。苦手だったウエート練習にも慣れ、日本チームの宮平秀治・男子ヘッドコーチも「体ができつつある。最初は重いものも持てず、子鹿ちゃんみたいだった」とその変化を認める。今は「普通に飛べば勝てる」と小林陵。苦しんだ過去2シーズンを「それがあっての今だと思う」と言い切れるまでになった。

 所属先の監督を兼任する46歳、葛西紀明は教え子の才能を見込み、時には手厳しいハッパをかけてきたが、「ようやく今季、(踏み切りで)スリップしないでパワーをスムーズに伝えられるようになった」。ジャンプ界のレジェンドも小林陵にお墨付きを与えつつある。

【時事】

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