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平成最後の年越し 雪覆う中、静かに【岩手】

雪に覆われた名勝天然記念物・厳美渓。幻想的な雰囲気に包まれる中、静かに平成最後の年越しを迎える=30日午前、一関市厳美町

 2018年も、31日を残すのみとなった。日本漢字能力検定協会の今年の漢字「災」に象徴されるように、西日本豪雨や大阪北部地震、北海道胆振東部地震など、全国的に災害が多い1年となった。3月までは例年以上の雪に見舞われた一方、夏には猛暑が続いて熱中症による搬送が相次ぐなど、異常気象も実感させた。

 本県にとって最も大きな話題となったのは、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の活躍。投打の「二刀流」は野球の母国をも席巻し、ア・リーグ新人王に輝いた。右肘の故障の影響で来季は打者専念となるが、さらなる飛躍が期待される。花巻東高校の先輩に当たる菊池雄星投手もポスティングシステムを利用した大リーグ移籍を目指しており、「先輩後輩対決」の実現も県民にとっては待ち遠しい。

 平昌五輪では、一関市東山町の岩渕麗楽選手がスノーボード女子ビッグエアで4位、八幡平市出身の小林陵侑選手がスキージャンプ男子ノーマルヒルで7位とともに入賞した。両選手は今季に入りワールドカップで優勝を重ねるなど絶好調で、4年後の北京五輪での金メダル獲得に向けて精進が続く。

 一方で、岩手競馬の禁止薬物問題は暗い影を落とした。7月に発覚して以降、競走馬から禁止薬物検出が相次ぎ、今月26日には5頭目の検出も発表された。再発防止策を強化した中での再発で4度目のレース中止に追い込まれたが、真相は闇のままだ。

 19年はラグビーワールドカップ日本大会が予定され、会場となる釜石市も盛り上がりを見せる。本県が建設候補地とされる次世代の大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致に関する政府の可否判断も出されるはずだ。来年は県民にとってどんな年になるのだろうか。年末に見舞われた雪が街を覆う中、平成最後の年越しを迎える。

▲高台から望む北上市街。さまざまな出来事があった2018年も静かに暮れてゆく

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