全国のたこ 魅力紹介 鬼の館特別展「凧に願いを」 手作り体験コーナーも【北上】
北上市立鬼の館の特別展「凧(たこ)に願いを」は、同市和賀町岩崎の同館で開かれている。鬼が描かれた物をはじめ全国各地のたこを集め、その魅力をさまざまな側面から紹介。会場は新年にふさわしい雰囲気に包まれている。27日まで。
特別展は2018年度2回目で、今回はたこの多様性を収蔵品を通して知ってもらおうと開催している。
北は東北地方、南は長崎県までの伝統的なたこは、天井からつるして展示。展示品で最も大きい「ばらもん凧」(同県福江市)は、武将のかぶとにかみついた鬼の首が描かれている。長崎に多い似た意匠のたこや、絵柄のモチーフが一つになった酒呑童子伝説を描いた浮世絵も並ぶ。
たこには男児の成長を願って揚げる、魔よけにするなどの風習もある。能代凧(秋田県能代市)のうち「べらぼう凧」は、舌を出した異様な絵柄が魔よけの意味を持つ。実物のほか、能代凧作りを唯一受け継いでいる北萬・北村凧提灯店(同市)へのインタビューもパネルにまとめた。
本県の南部盛岡凧(盛岡市)は、北上を代表する郷土芸能の鬼剣舞の白面を大きく描いているのが目を引く。
このほか、たこが揚がる仕組みや中国から伝来した経緯などを紹介するパネルも掲示。ポリ袋などでたこを手作りする体験コーナーも開設した。
古くから鬼やたこが身近だったことが伝わってくる展示内容で、同館の相原彩子主任学芸員は「鬼にまつわる物だけでも形や絵柄が違う。展示や体験を通し、たこの多様性を知ってほしい」と話している。
入館料は一般500円など。定住自立圏の北上、奥州、金ケ崎、西和賀各市町の小中学生は無料。開館時間は午前9時~午後5時。月曜と祝日の翌日が休館。
問い合わせは同館=0197(73)8488=へ。