一関・平泉

厳寒 争奪戦熱く 興田神社蘇民祭 裸男が息災祈る【一関】

鐘楼の下で蘇民袋に手を伸ばす男衆
▲柴燈木登りでは火の粉と煙を浴び、無病息災を祈った

 一関市大東町鳥海の興田神社(藤野正弘宮司)に伝わる蘇民祭は13日早朝、同神社などで行われた。上半身にさらしのみを身に着けた男衆が燃え盛るやぐらを登る柴燈木(ひたき)登りで1年の無病息災を祈ったほか、勇壮な蘇民袋争奪戦を繰り広げた。

 蘇民祭は無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)などを願い、毎年行われている。2015年からは1月第2日曜を開催日とし、同神社蘇民祭青年部がフェイスブックなどを通じて地元在住の厄年の人や地区外からの参加を募っている。

 同日は地元や県内のほか、北海道や新潟県などから裸男45人が参加。午前3時ごろから男衆が神前に参拝し、井桁状に神木を組み上げ火を付けた柴燈木の上で「ジャッソー、ソヤサ」と気勢を上げた。

 明け方、鐘楼に集まった男たちの頭上に蘇民袋が投下されると、激しい争奪戦がスタート。裸男たちが蘇民袋を持ったまま興田の町中になだれ込むと、待ち構えていた商店街の人々がバケツで水を浴びせ、熱気を帯びた男衆の体からは白い湯気が上がった。

 争奪戦は商店街の外れでようやく決着。取主(とりぬし)となった金ケ崎町の阿部光平さん(29)は「地元の永岡蘇民祭にも毎年参加しているが、興田の方が争奪戦の時間が長い。こちらでは初めて取主になれたのでうれしい」と語り、つかみ取った幸運を喜んでいた。

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